メイントラック
 

0140

ホーカー トーネード  


エアフィックス

イギリス空軍 試作3号機

 
  ハリケーンやスピットファイアの後継機となる、イギリス空軍の次期戦闘機として1938年4月に試作の発注を受けたのがホーカー・トーネード。とは言ったものの「うっそだー!そんな名前の戦闘機は知らんぞー!」と言う方が多いかと。エー、その通りでして、トーネードは採用されませんでした。「じゃあ何なのさぁ?」って事になるんですが、このトーネード。タイフーンと同じ機体なんですねー。と言うと「なにいってんのー。ますます分からん!」ということになってしまいます。実はホーカー社のこの機体。ロールスロイスのバルチュアという新型エンジンを積む予定だったのがトーネード。一方のタイフーンはネイピア社のセイバーという、これも新型のエンジンを積むことになってたんですねー。要するにエンジンだけが別モンの同じ機体、ということなんですぅ。
 1940年春。戦局はいわゆるバトル・オブ・ブリテンに突入し、スピットファイアが搭載していたマーリンの生産と改良に追われちゃったロールスロイスは新型エンジンの開発までなかなか手が回らず、1941年、このバルチュアの開発は打ち切られちゃったんです。ということはトーネードの開発も打ち切りで、残ったのがタイフーンということなんですね。
 140機めはその液冷バルチュアじゃあなくて、代替の空冷ブリストル・セントーラスを積んだトーネード試作3号機。この空冷セントーラスを積んだトーネード試作3号機のノウハウは、同じ空冷のセントーラスを搭載したテンペストMk.Uへ受け継がれ、レシプロ戦闘機の一つの究極ともいわれているシーフューリーで結実した。
 キットはレジンのコンバージョンで、その内容はあらビックリ!スピナーと一体になったプロペラとバキュームのキャノピー。と、ここまではいいんですが、それにレジン無垢の機体がドーン!。シンプルなキットといえばそうなんですが、機体全部が無垢とはねぇ!で、この無垢の機体。左右は大丈夫でしたが上下に反って、尻が下がっちゃってました。おまけに方向舵のスジ彫りはハッキリとして、それらしいんですが、他のパネルラインはスジ彫りが風化しちゃった跡みたいな、かすかな線がかろうじて見える程度でノッペリー。だったもんで機首を切断。カウリング部分だけを使い、機体はベースキット(11機めと同じエアフィックスのタイフーンTB)のを使用しました。ということはですよ、これだったらエンジン部分だけのコンバージョンで良いんじゃないのーぉ?!主翼の20mm機関砲とそのバルジをカット。穴を埋めてから新たに7.7mm機銃12門の銃口を開けます。主脚タイヤのカバーは脚側に付いていて、丸いので修正。ベースキットの翼下に付いている爆弾架は削除です。
 さて塗装ですが、取り説には上面ダークグリーンとダークアース、下面イエローとなっており、ラウンデルもタイプとサイズが指示されています。が、しかしです。このトーネードの試作3号機が排気管周りをキットのように改修されて初飛行したのが1941年10月23日ということなんですが、1941年8月以降、ダークアースはオーシャングレーに変更されているはずなんですぅ。当然一気に変更するのは無理でしょうから、実に微妙なタイミングなんですねぇ。また、プロトタイプなんで下面イエローもよろしいんですが、ぷらもオヤジ/72が持っている試作3号機モノクロ写真を見る限り、どー見てもイエローのような明るい色ではなく、黒またはそれに近い暗い色なんですよぅ。しかもラウンデルの外縁と試作機を現す丸Pマークも同じ暗い色なんですぅ。更に、キットのようにカウリング部分を改修される前の試作3号機もたまたま左側の写真があり、下面は黒のように見える上、ラウンデデル外縁と丸Pマークも黒く見えるんです。で、チョット調べてみたら1940年2月に完成したタイフーンの試作1号機。上面はミッドブルーグレイという変則的なカラーではありますが、下面は当時の工場完成時の標準塗装の主翼下面が白とナイト、他はジュラルミン無塗装だったらしい。で、このトーネードもそうなのかな?と思ったものの、ラウンデル外縁と丸Pマークが黒っぽい色っちゅうのはいかにも変で、どーなってんだぁ?と悩んでいたら、別の資料に掲載されている写真。試作4号機と記載されているんですが、トーネードの試作は3機のはず。4機めのトーネードは唯一アブロ社が完成させ、後に各種のエンジンやプロペラのテストに使用された量産1号機で、液冷バルチュアを搭載していたはず。で、この4号機とされているのは間違いで、多分これも3号機と思われます。この写真は下面が明るい色でラウンデルも通常なんですよー。で、さらに検討を加えたぷらもオヤジ/72。この下面が黒く見える3号機の二枚の写真をよーく見ると、なんとラウンデルと垂直尾翼の矩形マークの赤と青の明度が逆転してるんですねぇ。ということはこの写真の処理がおかしく、どーも機体全体の明度が逆転しちゃっているようなんです。そー考えるとこの問題は一気に解決ぅー!で、ダークアースとオーシャングレーの問題は未解決ですが、キットの指示通りの塗装が正しいということで、完成!
   
   
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