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コラーニC−309

ユニクラフト
民間レーサー 1968
 

 ルイジ・コラーニ。名前からするとイタリア人のようですが、ベルリン生まれのドイツ人。プロダクツ・デザイナーといったら宜しいんですかねぇ。ドイツの工業デザインといえば、ブラウンとかに代表される、物の機能性から生まれる美。直線にしろ曲線にしろ幾何学的なフォルムが特徴といっても良いんじゃないでしょうかぁ。そんな中にあって、コラーニの生み出すフォルムは自然がモチーフ。ドイツ工業デザインの本流から逸脱した、まるでアール・ヌーボーをさらに未来的に表現した有機的なデザインで、1960から70年代、世界的に注目を浴びたデザイナー。何を隠そう、ぷらもオヤジ/72、デザインのお勉強をしていた時期がオーバーラップしておりまして、一時、憧れをもって彼のプロダクツをみておりました。ペリカンが発売したボールペンなんぞ、買いましたよー。
 で、その彼のデザインした、プロペラ機の速度記録を狙ったレーサーがこれ、C−309。これは初期のスケール機のキットでして、この段階でも通常の飛行機の概念からは創造できないようなフォルムなんですが、最終型の"暴風号"は更にご覧のとおりの「こりゃぁなんじゃ!」って感じのフォルムになり、ハミルトンが開発した、船のスクリューのようなプロペラをプッシュプルタイプで装備。パワーユニットはヴァンケルのロータリーエンジン(その究極の完成型がマツダのロータリーエンジンなんですねぇ)を予定していたそうだ。
 
           

 で、これ。ユニクラフトの最新ホヤホヤのキットでして、オーナーに「届いたらすぐ作るよ」って約束しちゃった関係でテンペストに割り込みでーす。
 ぷらもオヤジ/72。うだうだとノーガキを垂れましたが、実はそれ程コラーニに関する資料を持ってる訳ではなく、このC−309については「いわんやをや」なんです。ですので、箱画の最初のデザインから、最終型の「暴風号」へどのように変化していったのか分からんのです。
 で、キット。実機の全長6.92m、全副2.66m。72だとキットそのものの全長は10cmにもならない、ちっこいキットです。当然パーツもちっこい。ゴミみたいな小さなプロペラのようなパーツがあるだけで、箱画のようなプロペラのパーツはありません。プロペラも変化してるので、途中ではキットのようなちっこいプロペラを想定した段階もあったんでしょう。が、やっぱり箱画のがかっこいい!ので、自作です。垂直尾翼の寸法が短いようですねぇ。そうなるとその前縁に収納される前脚も短い。気になる方は自作で修正でしょうかぁ?ぷらもオヤジ/72はそこまでしませんでしたが、そのせいでしょうか、どうにかこうにかつんのめらないぎりぎりのバランスでした。ヒートプレスのキャノピーと機体との合わせが結構大変です。機体側をシャープに加工してから合わせたほうが良いかもぉ。
 さーて塗装ですが、取説にはぴっかぴかの機体の写真が掲載されてます。レジンの表面を細かい耐水ペーパーで磨きませんと、このぴっかぴかにはなりませんです。ただ、パーツがちっこく細いので要注意!レジンなんで、すぐポキン!パッケージや取説のカラー写真を参考にイメージを膨らませて、マイカレッドなんぞで仕上げてみましたー。

   
   
   
   
 
 
とじる