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アブロ606A

ユニクラフト

アメリカ空軍 U−2後継計画機 

 

 アブロ606Aという計画機のようです。ユニクラフトのレジンキットで、その取り説に記載されている僅かな説明以外、これといった資料がありませんのです。で、ネット等でも少し調べたりしまして、それによりますと、アメリカ空軍がアブロ社へ依頼して共同開発した、U−2の後継機となる偵察機のようですね。
 このアブロ社。ランカスターやヴァルカンのイギリスのアブロ社とは別物のカナダのA.V.ローという航空機メーカーらしいので、アブロー社が正しいのかなぁ? この会社、フランスのシャーキットからキット化されているアブロVZ−9やシルバー・バグ等の円盤型の飛行機(ですよねぇ?)を作った航空機メーカーらしい。そのアブロVZ−9。どーやらドイツが第二次大戦末期に製作、実際にテスト飛行までやったといわれている、いってみれば円盤型のオートジャイロ?みたいなBMWフリューゲルラッドV.1のノウハウを活かしているようですよ。
 で、この606はそれらの発展型のように思えますが、ヴォートの試験機V−173フライングパンケーキのような単純な円盤翼のジェット機のようにも見えます。なにぶんユニクラフトの取り説。実際のところははっきりわかりません。
 ところで、その円盤翼。ヴォート社のチャールズ・H.ジンマーマンという方が開発したもので、広範囲の速度で飛行性能を発揮するらしい。実際、V−173は空中停止や滑走距離僅か数mで離着陸着といった高いSTOL性、というより垂直離着陸性を現実のものとした。ただ、高速での飛行は難しいらしいんですが。で、この理論、レシプロのプルタイプなら、プロペラの回転による空気の流れが円盤を包み込む感じで、それだけでも機体全体に揚力が働くような気もしないでもなく、なんとなく分かるような気もするんですが、このアヴロ606Aが後方に推力を噴き出すジェット機だとしたら、どーなんでしょ? やはり、VZ−9の流れを汲んだオートジャイロ型でしょうかねぇ?
 うだうだと長くなってしまいましたが、さーて、そのキットです。相変わらずですねぇ、ユニクラフトさん。おまけに今回、直メールオーダーした分ですが、なーんとバキュームのキャノピーが欠落! ウクライナまでメールで「送ってね!」も時間もかかって大変なんで、余ったパーツからの加工ですぅ。操縦席が開いてない!ので機体を分断、その部分 をセミスクラッチしちゃいました。計画上は複座で、後部座席はちっこい丸窓があるだけで、ちょっと見は単座。円盤翼は29フィート10インチという直径のようで、メートルにするとおおよそ9m。72だと13cm弱の意外とちっこい機体です。地上高はまるでF−1かぁ!って感じの、実機で10インチ(約25cm)。確かに殆ど滑走する必要も無いSTOL性能があって、偵察機でパイロンなどの懸架装置が不要なら、それで十分かもしれません。キットにはゴミみたいなちっこい車輪が10個も! しかーし脚柱のパーツは有りません。真鍮棒とパイプでそれらしく自作いたしました。
 おまけは実際何だかよく分からんのですが、ジェット噴射を機体下部からあっちゃこっちゃに噴き出してホバリングする為なのかなぁ? その噴出し口のような、ちっこいパーツが16個も。取り説の指示が曖昧というか、いい加減というか、どの位置にくっつけるのか良く分かりませんが、円盤の下面にブレードを表したような筋彫り部分が16ヶ所。同じ数じゃん! つうことは多分ここにくっ付けるんだろう? 段差を修正、隙間をパテなんぞで埋めてから、全面無塗装のシルバーを想定して、機体全体の表面をツルツルになるまで耐水ペーパーで磨く、磨く、磨くーっ!
 そんなこんなで、どーにか完成。で、もしこんなのが飛んでいたら、それこそUFOですよねー。

   
   
 
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