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コモンウェルスCA−15カンガルー


チェコマスター

オーストラリア空軍 試作戦闘機

 
 太平洋戦争で日本の東南アジアへの進行に危機感を感じたオーストラリアは、それまで使用していたバッファローやハリケーンに替わる戦闘機の開発に着手。その手始めがT−6テキサンを改造した急造のCA−13ブーメラン。その性能は皆様ご存知のとおりです。で、「これじゃあ、話にならん!」と言ったかどうか、本格的な高性能戦闘機の開発に着手した。全金属モノコックボディに層流翼、そしてコルセアやサンダーボルトに搭載されたプラット&ホイットニー空冷R−2800という、当時の最新鋭機が出来るはずだった。ところがどっこい、その頃のアメリカ軍機の空冷エンジンの殆どがR−2800で、他へ廻すゆとりは無い。
 「さーて困った、どうしよう?」
 「じゃあ、イギリスのロールスロイス・グリフォンにしたら?」
 「そうですねぇ、イギリス連邦の元締めだし。きっと分けてくれるよ。」
 てなことで、グリフォン搭載に変更。とはいっても、空冷を液冷に変更するのは、ドイツのFw190、イタリアのマッキやフィアットなどがありますが、そうおいそれと出来る訳じゃない。すったもんだで、修正設計が出来たのが1945年2月。そう、前々作のP−51Hの1号機が初飛行した時ですね。
 で、CA−15カンガルーと名付けられたこの機体、そのP−51Hのコピーのようなシルエットで、搭載エンジンはP−51HのパッカードマーリンV-1650-9A (1,380hp)をはるかに凌ぐロールスロイスグリフォン61(2,035hp)。図面だけ見ても、いかにも高性能!って感じ。ところが、原型機製作中に終戦。これまでかと思いきや、その後も製作は続けられたそうで、1946年3月に初飛行に成功。予想通り、約600km/hの巡航速度に加え、一説によると808km/hの最大速度を記録。F4U−4やP−51Dに匹敵、あるいは上回る高性能を発揮したそうだ。
 しかし、時代はジェット化の波。ただ1機製作されたその原型機は1950年、液冷レシプロ戦闘機の究極の一機といえる性能を発揮しながら「世界で最後に初飛行したレシプロ戦闘機」という肩書きだけを残してスクラップにされてしまった・・・・・・。
 キットはチェコマスターのレジン。4年ほど前に購入したキットで、それ程古くはありません。が、胴体に反り。プロペラも反り。新しめの同社のレジンキットは出来がよろしく、プロペラ等かなり薄くモールドされており、その分変形しやすいのでしょうね。プロペラは暖めながら修正。胴体は左右の合わせに隙間が出ますので、接着時に反りと併せて修正しました。翼と機体の合わせにも隙間が出ます。これはパテで修正。主脚の車軸を「自作しなさい」と取説にありますが、ちゃんとパーツになっています。付属の図面を見ると主脚のキャンバーとトーインがきつめの様ですので、意識して内側に向けて見ました。その他は、特にこれといった注意点や手直しは必要ないようで、ご覧の通りのCA−15カンガルー。
 
 
     
 
     
 
     
   
とじる