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パーシバル プロクターW  


novo

イギリス空軍 1942年

 
 まだ冷戦真っ最中の旧ソ連のnovoのキットで、これまでに作ったシーホークやジャベリン等と比べると多少後期の製品なのでしょうか、パネルラインは凸モールドですが、それ程気にはなりませんし、各パーツの合いもそれ程悪くはありません。ということは、novoは倒産したフロッグの金型を結構引取っているので、このキットもどうやらその一つらしい。
 ところで、良く「フロッグ社」と言われますが「フロッグ」とは正確には社名ではなく、1931年にチャールズ・ウィルモットさんとジョー・マンソーさんというお二方が設立したIMA社(International Model Aircraft Ltd.)のゴム動力の模型飛行機のブランドだそうだ。1932年に玩具メーカーのラインズ・ブラザーズと提携した後、1936年にセルロースアセテート製の1/72スケールの飛行機の組み立て式模型を発売。そのブランドが「フロッグ・ペンギン」。ゴム動力の飛ぶ模型と違い飛ばせないのでペンギン。ようは「飛べない鳥」な訳で、これが世界初のプラモデルと言われており、その後の「フロッグ」の基となった。ということだそうです。
 で、1977年。そのIMA社が倒産しフロッグの金型の多くがnovoに買い取られた。冷戦真っ最中にイギリスの模型の金型がなんで旧ソ連の会社に引き取られたのかというと、このnovo。ソ連が自国の玩具を販売する為にイギリスに設立した会社だそうで、ここでやっとイギリスのフロッグとソ連のnovoが結びつきました。
 既にご存知だった方も多々いらっしゃるかとは存じますが、ぷらもオヤジ/72。今回のパーシバル プロクター制作に当たって、はじめてはっきりと致しましたのでご紹介。案外ご存じなかった方も多いのでは?
 さて、このパーシバル プロクターなる航空機。イギリス空軍の連絡および無線士、航法士訓練機ということらしい。フィーゼラー・シュトルヒ、コードロン・シムーンやウェストランド・ライサンダーなど連絡機(多用途機の方が正しいかも)は耳にしますが無線士、航法士訓練機というのは殆ど聞いたことが無いカテゴリーですねぇ。イギリスならではのヘンテコリン?な機種でしょうか。TからWまでのバリエーションがあったそうで、空母に搭載する海軍機でもないのに、主翼が、フラップを垂直に跳ねあげて、そのまま後方に折りたためるんですが、なんなのさ! そういえばシュトルヒもたためるんですが、こちらはどうやら列車等で輸送する時のためらしい。
 付属のデカールは蛇の目の赤が同心になっていません。こういうデカールの版ズレって結構多いですよね。特にラウンデルの円がずれているって、仕上げで大変気になるところなのに平気で出荷されているってことは、メーカーサイドは気にしていないってことですか。昔のキットだからマア仕方がないといえばそうかもしれませんが、現在ならこれはクレーム対象になるのでは・・・・。おまけにかなり劣化していたのでしょう、シリアルなどヘニョヘニョになって使えません。で、適当な別売りデカールから転用致しました。なのでシリアルは全く別物です、あしからず。
 と、いうことでちょこっと珍しい、パーシバル プロクターです。
 
 
     
 
     
     
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