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ノースアメリカン・ロックウェルOV-10-1ブロンコ


ハセガワ

CDF(California Department of Forestry and Fire Protection) CAL FIRE 1999

 
 前作のフィアットCR42ファルコに続いてヤフオクで完成品のジャンク五機一括落札の内の一機。ハセガワの古いキットでノースアメリカン・ロックウェルOV-10ブロンコ。ほぼ素組みのようで、その画像は右下方に。
 まずはテールヘビーにもかかわらず錘が入っていないので分解作業から。ブームの付いた主翼とコクピットのある胴体とを分離、キャノピー、風防を外しセンターから剥がす、というか割るって感じですね。床板を外して機内の再塗装とヘッドレスト、シートベルトなどを加工して、機首内側の空いている小さなスペースに可能な限りの錘を挿入。何とか尻餅を付かなく出来ました。
 4分割のキャノピー、風防の合わせを再調整して組み立て。上部はスモークグレーらしいけど、こっちのが恰好良いのでクリアグリーンにしちゃいました。右のプロペラがぐずぐずだったので、一部分解して再加工してきっちりとしました。加えて回転方向が逆に着いていたので左も一部分解して左右を入れ替え。
 詳細は後ほどお話し致しますが、民間のCAL FIREに払い下げられた機体に再塗装なので武装は取り外します。まず、翼のパイロンをカット。ガンポッドを搭載し、増槽取り付け等のパイロンが装着可能な胴体下面左右のスポンソン(張り出し)をリューターで豪快?にカットして整形です。
最後に折れていたランディングギアを修復してほぼ完成。翼端にジェル状瞬間接着剤で翼端灯を追加。その他機首のピトー管?やドーサルフィンを自作等々、素からの組み立て作業に近い再加工でした!!
 1950年代末、アメリカ空軍はA-1スカイレイダー攻撃機やB-26インベーダー爆撃機に替わるCOIN機を。海兵隊はOE-1バードドッグの後継機として高性能の観測機を。更に陸軍では独自の近接航空支援機を、それぞれが別個に研究開発を開始したけれど「それは無駄だろう!」と言ったかどうか、1963年9月になって三軍共通のCOIN機を共同開発する方向で進められることになったそうだ。なんと11社もの設計案の中から、最終的には陸軍が離脱したものの空軍、海兵隊が採用したのがこのOV-10。元々はノースアメリカン社の設計だけど、この機体の開発時期と、会社自体がロックウェル社との合併でノースアメリカン・ロックウェル社となった時期がダブるんで、ノースアメリカン・ロックウェルOV-10となる。
 7箇所のハードポイントに2トンほどの爆弾や自衛用サイドワインダー。スポンソンにはガンポッド。機体後部の貨物室に空挺隊員5名や担架等を搭載可能な汎用性の高い機体。アメリカ空軍、海兵隊には1968年から配備され、その後アメリカ海軍やフィリピン、コロンビア、タイ、当時の西ドイツなど多くの国で採用され、一部はまだ現役かも?
で、アメリカ空軍では1990年にA/OA-10サンダーボルトUに交替。海兵隊でも1995年にF/A-18ホーネットに交替し全機退役した。それらの一部が民間に払い下げられ、このCAL FIREのOV−10−1となる訳ですね。
 さて、最後にこのCAL FIREですが、恰好いい和訳が分かりません。ネットなどでは「農林防災のカリフォルニア部」なんて訳されていますが、なんのこっちゃ?ですよね。正式?名称はCDF(California Department of Forestry and Fire Protection)というようですが、これを訳すと「農林防災のカリフォルニア部」となるのでしょう。詳細はよく分からんですが、要は、森林火災の多いカリフォルニアの自然と森林を守るための防災や啓蒙活動、いざというときの避難誘導、救助、消化活動などなどを遂行する公の組織のようですね。英語のCAL FIRE。カリフォルニアのカルにファイヤーで意味はなんとなく分かるし、音もカル・ファイヤーで格好いいし、無理に和訳しなくても良いんじゃないのかなぁ。で、このOV-10は消防観測/消化指示機として1993年から採用されているらしい。
 尚、使用したのは別売りのドロウデカールで1999年11月現在のマーキングです。で、このデカール、英語でイロイロ注釈が書いてありまして、よう分からんですが、フィルムが極めて薄く取り扱い注意。そのフィルムは一枚なのでそれぞれを切り離す必要がある。印刷インクを柔らかくする為に厚いお湯で作業せよ。等々。実際、使ってみると確かに薄く切れやすい割りにべた塗りインクの部分は硬く、カーブでの密着性は宜しくありません。ということで、仕上げが結構難産でした。
 
 
     
 
     
 
     
 
   
 
   
     
とじる