マーシャル元帥は公務を退いた後郷里にひっこみ,毎日の日課は
夫人と散歩することであった.ある日,町外れで子供たちの凧上げするのにであった.『ごらん,どうも夫婦というものは,タコと
タコのシッポみたいなものじゃないか.タコのシッポがあんまり
長かったり重かったりするとタコは天高く舞い上がることができない.反対にシッポが軽かったり,短かったりすると,タコは地面に落ちてしまう.夫がタコであるならば,妻はタコのシッポである.つりあいというものが大切だネ』
ある人がこの話を聞き,自分流にし結婚披露宴でぶった.
中年の夫婦が大勢出席している.一人の奥さんがこれを聞いて夫の袖をひいて小声で言った. 『あなた,あなた』 --なんだね
『私はネ,タコのシッポとしては,申し分のないシッポのつもりです.長くもなく,短くもない.軽くもなければ 重くもない.申
し分のないシッポのつもりなのにあなたはどうして天高く舞い上 がらないの』 そのとき彼は,見事な答弁をした.両腕を組み,憮然として,
---うん,風がないからなあ. ー扇谷
生造 ビジネスマンの戦術戦略(1981)

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