【フィードフォワード制御】　

山勘のこと。

反省を基本としたフィードバック制御方式の欠点を補うために考えられた制御方式。
山で遭難してしまってから反省しても時すでに遅しという訳である。
嵐になる前に、雲の動き、風の方向等から危険を予測して山小屋に引き返すのがフィードフォワード制御の一例。これはスポーツの世界でも読みなどと称しているし、競馬などでも独特の理論を展開する方も身の回りに多数観察される。いずれにしても予測制御であることから当たり外れは当然大きいが、朝、出社して来た上司の煙草の扱い方を見て機嫌を予測する等、応用範囲の広い制御方式ではある。

「山を長く歩いたベテランの猟師は鋭い勘をもっている。
　この勘は長い体験から鍛えたと言うよりも、長い体験によって磨かれたものである。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｍ．トケイヤー

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（1987年10月）