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【ハイリミット】
 
限界のこと。

 最近雑誌を見ていて「ピーターの法則」というのを知った。この法則を考え出したJ・ピータースはアメリカの教育学博士だが、なかなかユニークな理論である。次の話を読んでほしい。
優秀なセールスマンが主任になる。ぐずぐずいう部下を管理し、チームとしての成績を上げねばならない。
自分が飛び廻った方がよほどましではないか。しかしそれでは管理者の意味がないので何とか耐え、やがて優秀な主任として認められる。そして係長、課長と昇進していくのだ。部下の数も同時に増えていくし、仕事の質も変わっていく。例えば10人の部下は自由に使えるが、30人だともう無理だということはよくあることだ。これがその人間の限界である。
「彼に課長は無理か」というのが一般的な表現だが、ピーターの法則では
「彼は課長において無能のレベルに達した」となるのだそうだ。
無能のレベルは当然個人の能力によって異なるのだが、よく考えれば重要なことに気がつくはずだ。すなわち我々全てが、無能のレベルに限りなく近づいているということである。言い方を変えれば、この世の中は無能者とその予備軍の集合体なのである。 
 参考までに
 ・大机願望症(同僚よりも大きな机を持ちたがる人)
 ・紙片狂(机上その他に無用の書類をため込む人)
 ・鞄偏執症(人よりよい鞄を持ち、必ず持ち歩く人)
 ・経験談症(過去の下らない経験を自慢する人)
 ・その他(こういう下らない文章を書いている人)
等の人は無能のレベルつまり限界に近づいているのだそうだ。
さて自動制御だが、例えばボイラーの蒸気圧力が上昇し規定値をオーバーすると、最終的にボイラーは爆発し、使用不能となる(無能のレベルに達する)。それを防ぐ意味でハイリミットコントローラが設置されている。圧力調節器は「無能レベル」の監視役なのである。それと同じ状況、危険は会社あるいは組織内にも存在する。その為にやはりハイリミットコントローラとして、各種の制度が考えられているのだが・・・・
 

階層社会にあっては、その構成員は各自の器量に応じて、それぞれ無能のレベルに達する傾向がある。
   (ピーターの法則)
                             (1989年4月)