菊池澹如法書の表紙
布の表層で二峯氏によると思われる題字が付けられている。
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裏面に二峯識の説明文がある。山本二峯氏であろうか。書の末尾に記載された弘化甲辰年の年記から教中17歳の時の書であることがわかる。また、「中正私印」という印章が使用されている点を菊池晋二氏に直接尋ねて、教中が若年時に使っていたものであるとの回答を得たということである。
法書とは臨書の時のお手本になる墨蹟の意で、中国の書家の筆跡を模したものであろう。商家の惣領であった教中であるが、父淡雅が多くの文人墨客と広く交流を持っていたこともあり、また、母民子もまた作歌において一流の人であったことから、少年時より書画に抽んでいたのであろう。もちろん才能もあったであろうし、自らも好んで書画に楽しんだようである。
表紙と裏表紙には板が使われている。