古橋懐古館蔵 菊池教中書
程明道「秋日偶成」より

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大意
閑散とした生活に入って以来、何事につけても心はゆったりとしていられる。ぐっすりと眠って目が覚めてみれば、もう東の窓には朝日があかあかと映っている。
宇宙の万物を静かに眺めてみると、皆それぞれに自らの分をわきまえているようだし、人間と同じように四季の妙味を楽しんでいるように見える。
『道』というものは、天地の間のいかなるもの(有形無形を問わず)にも通じていて、人間の思考は、風や雲のように変化する事象の中にまで浸み通るものである。
そして、富貴になっても乱れ奢ることなく、また貧しく何の地位がなくとも、悠々として自ずから楽しむような心境に達するまでになれば、これこそ男児の中の真の豪雄というべきである。