浮世絵師 月岡芳年(つきおかよしとし)
1839〜92年。浮世絵師。12歳で歌川国芳門下となり、15歳で一魁斎と号してデビュー、21歳で浮世絵師として独立。葛飾北斎と菊池容斎を畏敬し、狩野派、円山四条派、銅版画などさまざまな画法や技術を吸収。とくに臨場感あふれる劇的な場面の錦絵に異才を発揮した絵師として知られ、彰義隊など権威に抵抗した悲劇のヒーローのほか、安珍のあとを追って蛇と化した清姫の物語など悲しい宿業を背負った女性らを好んで取り上げた。怪奇で残虐な場面を数多く描いたことから、「血みどろの絵師」などとも呼ばれる