◇(どんな)善良な人間も、閉ざされた環境の中では権威者に簡単に服従する

『服従の心理―アイヒマン実験 』 (スタンレー・ミルグラム(著)、岸田秀(訳))
で明らかにされた人間の行動心理のようだ。

この本は読んでいないので偉そうなことは書けないが、かってアウシュビッツで、
その日もユダヤ人をガス室で虐殺した役人が、自宅に戻りモーツアルトのレコードに涙して聴き入ったた。という話を想い出す。
まさに、ごく普通の善良な人間がある条件のなかでは簡単に上司に服従し、残虐になれるという見本である。

この法則を一番知っているのが、権威者(大統領・首相・社長・支店長・(昔の)教師などなど)であろう。
いや、知らなくても十分利用しているのだ。

たまたま、本日(2008.2.8)新聞の訃報欄に載っていた、大西實氏82歳(元富士写真フイルム)
はなんと24年間トップに居続けたという。
24年間・・・・・。22歳で入社した新入社員が46歳になってやっとトップが変わった(?)。

これは単に老害とよぶにはふさわしくない。
この会社ではどんな「服従の心理」が現れていたのでありましょうか。
あまり想像したくない。

ミルグラムの実験については、ウェブ上に優秀なものが多数あるので省略するが、
似たようなものでスタンフォード大学の有名な「監獄実験」というのもある。

アルバイトを雇い、監獄を模した建物で看守役と囚人役に分ける。
実験が始まるや、囚人役は指示もされないのに服従的になり、看守役は日に日に囚人達に
残虐行為を始めた。
囚人のなかには精神的に不安定なものも現れ、結局2週間の実験予定が6日で終わってしまったという。

戦争が人間を残虐にする、と言われるが掘り下げてみると、人間はこういう法則に支配されていることのようだ。(会社でも同じですね)
そして、皆様のご家庭ではどなたが「権威者」なのでしょう。


・上記実験についてはX51(http://x51.org/x/06/04/2439.php)に詳しい。





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