◇悪貨は良貨を駆逐する

有名な「グレシャムの法則」である。

世の中は質の悪い人間がいつの間にかはびこり、まともな人間が姿を消すということ。悪が栄え善が滅びるさまをいう。
日本の政財界を考えれば非常に分かりやすい。
また、ビル・ゲイツ(マイクロソフト・Windows)にパソコン業界を席巻される状態のことである。

という具合に使われるが、本来この法則は金融用語である。
16世紀イギリスの貿易家であり、女王エリザベス一世の財務顧問官であったサー・トマス・グレシャムが、貨幣の改鋳に関して女王に提出した意見書の中で、「質の悪い貨幣が流通すると、質の良い貨幣が退蔵されてしまい、悪貨だけが市場に流通するようになる」と述べたのがもとで、「グレシャムの法則」とされて有名になった。
18世紀ごろまでのヨーロッパには紙幣がなく銀貨と銅貨が使用されていた。が、イギリス国内の財政が窮乏すると、王様はたびたび貨幣の質を落とした(銀の含有率を下げた)。当然国民は良貨を使わなくなり、質の悪い貨幣ばかりを使ったから、市場から良貨が姿を消していったのである。

ただし、この「悪貨は良貨を・・」は「地動説」で有名なコペルニクスが唱えたという説があり、どうもこちらが正解のようだ。


「悪歌は良歌を駆逐する」
    ー悪魔

「悪魔は神を駆逐する」
    ー悪魔




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