昔からのことわざで、悪魔はご幼少のころ母から教わった。
山本武氏は著著『古書を求めて』で「本を貸すバカ借りるバカ」という一章を設けている。
何れにしても、昔から「番傘も風呂敷も書物も皆、貸したが最後戻らぬもの」と相場が決まっているもののようだ。
貸した本は大体において大事な本である。いい本である。だから、借りた側は尚更返すのが勿体なくなるのだろう。
またまた先ほどの本からの受け売りだが、
「世の中に本かすほどの馬鹿はなし
きれて破れて末になくなる」
といった狂歌を蔵書の表紙裏に書きつけた古人も紹介している。よほど酷い目にあったのであろう。その悔しさと本に対する愛着が伝わってくる。
中国の『艮斉雑説』という書に
「書を借りるは一痴、
書を惜しむは二痴、
書を索むるは三痴、
書を還するは四痴、
そして書を蔵するは五痴」
という言葉があるそうなので、世界共通の問題なのでありましょう。
と言うわけで、大事な本を人には決して貸してはいけません。
悪魔も、何十年か前にアメリカに出張した折りに購入した当時としては貴重品の「PlayBoy」を会社の同僚に貸したらあっという間にどっかに行ってしまったのを今でも良く覚えている。
「赤子貸しても本貸すな」
「貸さぬは一時の恥、貸すは一生の恥」
「他人の善意を信じよ、しかし本は貸すな」
ー以上、土屋賢二 (ツチヤの口車。 週刊文春 2007.12.20)
「金を貸すバカ
返すバカ」
ー悪魔

[カウンター]
|