◇ 医者という職業は、治ったものを治したと言い、
  治らなければ、病気の質の悪さにする

悪魔(私)も人の子か?

腸閉塞という病名で緊急入院させられた。
それも数名の医者により診断されたのだが勿論誤診。
「腸閉塞」->「急性腸炎」->「感染症腸炎」と毎日病名が変わる。
「何故?」というこちらの質問には曖昧な答えしか返ってこない。

入院中、たまたまインターネットで注文していた本をカミサンが持ってきてくれた。
よりにもよって題名が、

「医者が患者を騙すとき」

医者、看護婦がかなり頻繁に様子を見に来るので、隠しながら読むのは
結構大変。

以下、その苦労を感じながら読破した内容である。

著者はロバート・メンデルソン(米小児科医)、30年くらい前に発売され、
未だにベストセラーになっているという。

■医者が仕事をやめると世の中が平穏になる。

・1976年、ロスアンゼルスで医者がストライキを決行した。
このときの死亡率の低下は18%だった。カリフォルニア大学ロスアンゼルス校
で医療行政を研究するミルトン・レーマ教授が17の主要病院を調査したところ、
ストの期間中、手術の件数が60%も減少したことが分かった。
そして、ストが終わり医療機関が再び稼働を始めると、死亡率はスト以前と同じ
水準に戻ったのである。 
・同年南米コロンビア、1973年イスラレルでも同様の現象があったという。
この現象について説明を求められた医者たちはこう答えた。
「救急患者に限って診療したので、労力を重症患者の治療に集中することができ
たからだ」
この発言は、医者が不定愁訴程度の治療の必要のない軽症患者に対し、不要な治
療をしなければ人命救助に専念できることを意味している。
かねてから私は、医者は永遠にストを続けるべきだと主張してきた。
医者が医療行為の9割をやめて救急医療にだけ取り組めば、人々の健康状態は間
違いなく改善されるはずである。

・「ドクター・ストライキ」のあとの統計では、今日の医者は、医学の父と呼ばれるヒポク
ラテスの誓いの原点を疎かにしている、人々の健康を脅かすことはするなと指摘している。
 ロバート・S・メンデルソンの『医学の異端者による告白』によると、
ドクター・ストライキのあと、予期せぬ結末となったことが記されている。保険
料の不正行為に抗議して、ロサンゼルスの医者たちが1976年にストライキを起こ
した。医者の不在により、どのような結果となったか? 死亡率が18パーセント
減少したのだ。

 同じ年、コロムビアのボゴタでも、急患以外の治療をしなかったところ、死亡率は35パー
セント減った。
 1973年、イスラエルでは、思いきって毎日の通院患者の治療を受け付けないことにした。
すると、死亡率は半分にまで下がった。
 その20年前の医者のストライキのときにも、同じような結果が出ている。

・アメリカで記録的な売り上げを示しているジアゼバムという精神安定剤の医師向
け添付文書によると、適応症は以下のようになる。

・適応症 不安、疲労、鬱状態、激しい感情の動揺、震え、幻覚、骨格筋のけいれん
・副作用 不安、疲労、鬱状態、激しい感情の動揺、震え、幻覚、筋肉のけいれん


「毒性のない薬は今や薬ではない」
     ーイーライ・リリー(製薬会社イーライ・リリー創業者)

「医者という職業は、治ったものを治したと言い、
 治らなければ、病気の質の悪さにする」
     ー会田雄次

「治したのは神の力で、私は(繃帯を)巻いただけ」 
     ーゼンメルワイス(16世紀の名医)
    柴田二郎著 「病に医者いらず」より孫引き
 
「医者は患者に害をおよぼすな」
        ーヒポクラテス

「医療による大量虐殺」
   ークエンティン・ヤング博士


・盲腸の手術を明日受けることになった患者が執刀医に尋ねた。
 「先生は盲腸の手術を何回くらいやっているんですか」
   「もう、2000回以上やっているな」
 「じゃ、大ベテランだ。安心しました」
   「うん、そろそろ成功する頃だ」

*勿論素晴らしいお医者さんもたくさんいることは言うまでもない。

(追加)

余録:病院詐欺事件

 国学者の平田篤胤(あつたね)は若いころに江戸で医者をしていた。その門弟への医術の講義で当時の医療の内幕を告発している。今の医者は医術よりも患者をだます悪だくみの方が百倍もうまい−−そう容赦なく糾弾したのだ▲ある医者は患者を信用させるために灰墨で作った丸薬を飲ませ「明日、黒い便が出れば薬がよく回った証拠だ」と言い渡す。その通りになって患者が感心した機をのがさず高価な薬を売りつけるのだ。また組合を作っての集団詐欺もあった▲ある医者にかかった裕福な患者との話で仲間の医者が「あの医者は○○という薬を使うでしょう」と言う。「いえ」と驚く患者に「○○は秘薬でよく効くのに」と言えば、患者は金に糸目をつけずインチキ秘薬の処方を求めるわけだ(氏家幹人著「江戸の病」講談社選書メチエ) 

毎日新聞 2009年6月24日より抜粋







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