◇間違った夜明け

ビル・トッテン氏(アシスト社社長)の著書『必ず日本はよみがえる!』で紹介されている、ジョン・グレイ氏のお言葉である。
ジョン・グレイ氏はその著書『 False Dawn 』(1998年)で「アメリカ経済は絶好調だが、どの先進国よりも貧富の差が拡大し、犯罪は急増している。アメリカ経済は立ち直った。しかし、それは精神性をも破壊された、「 False Dawn (間違った夜明け) 」なのである」と書いている。

なぜそうなるか、かって富は広くすそ野を広げ、全員(というのはオーバーだが)がその富の分け前にあずかれる筈であったが(ちょっと古すぎる理論か?)、現在は富は一部の金持ちに集中するようなシステムになっているからである。
それに貢献しているのが、経済学者というとんでもない連中である。

話が少し飛ぶが・・・・

ノーベル賞とは、ダイナマイトの発明で知られるA・ノーベルの遺言に基づき、人類のためにもっとも貢献をした人に賞として与えられるもの。
ということは誰でも知っている。
それは1901年から授与が始まり、物理学賞、化学賞、生理学・医学賞、文学賞、平和賞の5賞があった。
途中から(1969年)「ノーベル記念経済学賞」という賞が加えられた。ノーベルの遺言にはなかった賞なので、ノーベル賞ではないが、ノーベル賞と同等に取り扱われ、授賞式も一緒に行なわれているというへんてこな賞である。
ノーベル経済学賞の英名は「The Bank of Sweden Prize in Economic Sciences」直訳すると「スエーデン銀行経済学賞」ということになる。(ノーベル賞とは金の出所も違う)
最近の経済学のあまりのひどさにノーベル財団は「ノーベル賞」から経済学賞を外すように提案しているという。アタリマエ!。

LTCM(ロングターム・キャピタル・マネイジメント)というヘッジファンドが二人のノーベル経済学者( マイロン・ショールズ&ロバート・マートン。ともに1997年受賞者)の金融工学を駆使したリスク管理をしていたにも拘わらず、1998年に破綻したことは有名である。
それはなんと、受賞の一年後である。

ところがその後、京大と日経新聞が開催したシンポジウム「21世紀の金融と金融工学の役割」で、ロバート・マートン教授が
「最新の金融技術を使ってデザインした金融システムなら、日本経済の効率性は一足飛びに高まる」
と持論を述べた(2000年)。
日本をなめるのもいい加減にしろ!。
LTCMを倒産させた、あのマートン教授がよくもまあ。

「ウォール街資本家の冨は、第一次世界大戦の死者一千万、
 第二次世界大戦の死者三千万の上に築かれた」
      ーアンリ・クロード 


「杉作、日本の夜明けは近いぞ」
      ー倉田典膳 (大仏次郎「鞍馬天狗」)







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