ナポレオンは疥癬(かいせん)に感染していた。
疥癬はヒゼンダニというダニが皮膚の角質層に寄生しておこる皮膚感染症である。
ナポレオン時代の戦争で疥癬が流行して本人もその病気にかかったのである。
肖像画のナポレオンが胸に手を入れているのは疥癬で痒いので掻いていた、という怪しげな説もある。
それはとにかく、ナポレオンは、人のいないところでいつも従者に背中を掻かせていた。そんな従者から見るとナポレオンなどただの「かいかい病」のおじさんにしか見えない。というヨーロッパのことわざである。
「私を信ぜよ,事態を熟知している私を信ぜよ.フランスにとって 何ものも失われてはいないと断言する私を信ぜよ」
と演説したフランスの ドゴールに大衆は熱狂した。が、彼のメイドだけは熱狂しなかった。
何故か?
それは、ドゴールが自室の鏡に向かって身振り手振りでその演説の練習を繰り返すのをメイドはいつも見ていたからだ。
「いやあ,なにか あの人にましなところがあったとすりゃあ,煙草を喫わなかった
ことさ」
ー農民出の一老婆のレッシングについての意見『ドイツを旅行せるド
イツ人の書簡』
レッシング(1729-80)はドイツの劇作家でドイツ啓蒙主義を代表する思想家である。
人も、富士山と同じで遠くから見ている方がよいようだ。
近づきすぎると岩肌のでこぼこやら、ニキビとかシワなどのアラが目立ってしまう。ということだろう。
「人間は池のふちにたって水をのぞき込むと,はじめは自分の姿が 大きく
映る.だんだん腰をかがめて行くと,自分の姿は小さくな ってゆく.
どのような人間でも,近ずくと小さくなるのだ」
ーエライザ

[カウンター]
|