◇「寒いね」と話しかけて「寒いね」 と答える人のいるあたたかさ

俵万智の短歌。
彼女の作品はあまり好きではないが、この短歌はいい。短歌としてどうかというより、コミュニケーションの本質をついているからである。
「寒いね」と話しかけても
  「ハ〜」
  「そうだね」
  「冬だから」
  「厚着しているから平気」
 といった調子が多い。

「あいさつとは何か? それは心を開いて相手に迫るということである」と言ったのは、気配りの元NHKアナウンサー鈴木 健二氏。そして、その瞬間の気持ちを共有することである。話題は単なる道具にすぎない。
「コミュニケーション」とは元々「他人と分かち合う」を意味するcommunicareが語源とされている。日本語のコミュニケーションはほとんど和製英語の世界のようだが、「会話」も当然立派なコミュケーション(分かち合い)である。
日本人はヘタである。「分かち合い」をしないのである。だから、逆にこのような和歌が出来たのだろう。
人の話を聞かない人。
話題をそらす人。
話題をすぐ宇宙の彼方とか砂漠に持っていく人。
そして一番多いのが、すぐ自分の話を始める人である。

何れにしても、困ったモンだと悪魔は嘆いている。

以下は、インターネットで見つけたものでバカな話であるが、良くも悪くも会話は成立したという例。

「ようやくホテルに着き、レストランへ行こうと信号待ちをしていると、「寒いね!」と話しかけてくる、自称バルセロナ出身で何故かユヴェントスファンのマルチネスが登場。
美味しいレストランに案内してやると言い出し、英語での会話に果敢にチャレンジしていた同僚が喜んで「行ってみよう!」ということになった。
ちょっと乗り気じゃなかったが、大学生も行くというので、僕も一緒についていく。ここだと紹介された場所はレストランとは程遠いバー。この時点で気づくべきだったのだが、結局ここはボッタクリ・バーだったのである。
途中で気づき、帰ろうと二人を説得するも、何故か彼らは楽しんでいる。ビール一杯を飲んで、女の子にシャンパンをおごっただけで出てきた勘定は日本円にして4万円。これでもう取られることはないと勘違いした二人がさらに女の子におかわりをおごっている。
僕が店員に「さらにお金取る気か!」と聞くと「イエス」という答えが・・・。その後さらに3万円請求される3人。合計7万円。しかも一人分だぜ。
それなのに「授業料払って英会話の勉強したと思えばいい」とこの話題が出るたびに主張する同僚だが、僕にはそう思える神経が信じられない」

悪魔も信じられない。





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