◇宗教は阿片である

「宗教に対する闘争は、間接的には、宗教という精神的芳香をただよわせているこの世界に対する闘争なのである。宗教上の悲惨は、現実的な悲惨の表現でもあるし、現実的な悲惨にたいする抗議でもある。宗教は、抑圧された生きものの嘆息であり、非情な世界の心情であるとともに、精神を失った状態の精神である。それは民衆の阿片である」
     
マルクス『ヘーゲル法哲学批判序説』でのお言葉。
悪魔は長いこと、この言葉はレーニンのものと思っていた。そう書いてある記述も結構多いのでそう思いこんでいたのだが、これは間違いであった。
この文章、なんだかよくワカランが、平たく言うと

「宗教には、「脅し」と「慰め」がつきものである。
 宗教は、人を慰めるだけではうまくいかない。
 時には、脅すことも必要である」
     ー岩井 洋・関西国際大学助教授
ということのようだ。
「宗教は救いのない、苦しむ人々のための、精神的な阿片である」
と最初に書いたの はドイツの詩人ハイネで、1840年の「Ludwig Borne iv」の中の一節である。

宗教とは縁のない、悪魔説はもっともっと単純である。
「人間にとっては、生活あるいは肉体の痛みをいやすクスリが必要である。
 それが阿片である。
 そして、それに頼れば頼るほど習慣になっていく」

映画「ゴッドファーザー」では、世界12億人ものカソリック信者の総本山ヴァチカンとマフィアとの癒着が描かれた。日本のなまぐさ坊主(立派な方も当然いるが)もそうだが、いい加減なものである。
もっとも、時代は違うが、その体制を批判して有名な宗教改革の元となったマルティン・ルターにしても、これまたいい加減である。

「カトリックの神学を打倒した後、破門という強力な武器をふりかざして、プロテスタントの神学を打ちたてる仕事に直ぐに取り掛かったあなたの同国人 マルティン・ルターのおかした矛盾には陥らないようにしましょう」
     ーレーニンがマルクス宛に送った書簡

マルクスの説をまともに受け取ると、
「宗教が阿片であるのならば、それに携わる牧師などは麻薬密売人か?」
ということになるので、やばいからこの話題はここまでにしよう。


アメリカ人観光客が北アイルランドを旅行していた。
ある時、いきなり後ろから銃を突きつけられ
「お前はカソリック信者かプロテスタントか?」
と聞かれた。アメリカ人は考えた。
プロテスタントと答えるとこの男がカソリックだった場合殺される。逆も同じだ。そこで
「私はユダヤ人です」と答えた。
「しめた、俺はアイルランドで一番ラッキーなアラブ人だ」
      ーアメリカンジョーク

ある町に、敬虔な信者のふりをして、毎週礼拝所に通ってくるのに、素行が悪い男がいた。 ある日、ラビは彼を呼んで、すこし素行を改めるように注意した。 すると、男はいった。
「私は定められた日には、礼拝所にきちんと通う敬虔な信者
 です」 ラビはたしなめた。
「あなた、動物園に毎日いくからといって、動物になるわけで
 はないでしょう?」
      ーユダヤのジョーク 

「いくら祈っても効果がないと思ったら,祈りにもっと熱をこめなさい」
      ーユダヤのジョーク 

あるユダヤ人が友人とやり合っていた。
「オレ、キリスト教に改宗するよ」
「なんということをするんだ、死んだおとっつぁんが成仏できない
 で、墓石の下で寝返りするぞ」
「いや、その心配はないんだ。来週、オレの弟も改宗するんだ。
 そうしたら、おやじはまた寝返りして元どおりになるさ」
      ーユダヤのジョーク 

「不死不滅という希望は、いかなる宗教からももたらされないが、
 大半の宗教はこの希望から来ている」
      ーインガソル

「無宗教――世界中の偉大な信仰の中で、一番重要な信仰」
      ービアス『悪魔の辞典』

「人間が宗教を造るのであって、宗教が人間を造るのではない」
      ー三木 清

「宗教を愛し、守っていくには、それを守らぬ者を憎んだり迫害し
 たりする必要はない。
      ーモンテスキュー 

「宗教は、人間一般の強迫神経症である」
      ーフロイト 

「普通の人々はお祈りしない。ただ、お願いするだけだ」
      ーバーナード・ショウ

「剣をもって戦え。
 今は祈っている時ではない」
      ーマルティン・ルター

「信仰というものは九十パーセントの疑いと十パーセントの希望
 である」
      ーペルナノフ(キリスト教徒の小説家)

「信仰というものは九十パーセントの疑いと十パーセントの希望である」
      ー ペルナノフ(キリスト教徒の小説家)

「宗教は核爆弾なり」
      ー開高 健

最後に、映画『エルマーガントリー』より。
この映画はシンクリア・ルイス原作で、怪しげな宗教の女伝道士(ジーン・シモンズ)に掘れたセールスマンのガントリー(バート・ランカスター)がその弁舌を生かして自分も伝道士として信者を増やしていくというストーリーである。この映画でランカスターはオスカーを得た。原作の出版は1929年だから、その当時としては随分大胆な内容だから宗教界に波乱を起こしたようだ。
そのエルマーガントリーのセリフから。

「祈りはいちばん安いクスリだ」






アクセスカウンター
 [カウンター]