◇ 月並みこそは黄金 

ルーマニアのことわざ

開高健が彼の著書『破れた繭』のなかで紹介している言葉である。

本意はルーマニア人に聞かないと分からない。
「和をもって貴ぶべし」という日本人はもともと月並みである。
月並みであろうとする。
だから、このことわざを見て、「やはりよかったんだ」と感じるのもよし。
ちょっとしたエリートは「いけね〜」などと思うかもしれない。

「パレートの法則」はイタリアの社会学者が発見した法則で、
所得上位20%の人々の所得累計は、社会全体の80%を占める」というもので、世の中の現象は、一様に分布せず、常に偏った分布をしているというのである。

これとは別に「2・6・2の法則」というのがある。
例えば会社で優秀な人材は2割、バカは二割、その中間が6割ということになる。
これに例外はなく、どんな超優良企業でも潰れかかった会社でも、また社員数の大小に関係なく当てはまる法則である。
希望退職を募ると優秀な人材がいなくなる。とはよく言われることである。しかし、それで本当に困ったことにならないのは。残った連中のなかでやはり、2・6・2の法則が成り立つからである。

これもどうやらパレートの作らしい(というより、パレートの法則そのもの?)。

前述の「月並み」はまさにこの6割のことを指すのである。例えば、会社の権力者にべったりするわけではないが、かといって積極的に敵対しない。日々是無事である。権力者が失脚しても自分の身は安全というのがこの「月並み組」である。

だから、例えば日本の小泉首相の支持率が、あるいはアメリカのプッシュ大統領の支持率が60%を越えることはこの法則ではあり得ないのである。
絶対支持派が20%。絶対反対派が20%。「月並み組は」そのときの気分でどちらにも転ぶからである。
どちらでもいい「月並み組」全員が小泉を支持し、絶対賛成派の20%とプラスされた時に80%の支持率が発現することになる。
これは異常である。
だから60%以上の支持率というのは異常状況を計る一つのバロメータになるのだ。
逆に言うと、どんなバカでも(例えばブッシュ・小泉)絶対支持派の20%は確保できるという計算になる。

異常値になる原因はほとんど本人の資質などとは関係ないことであって、それはTVなどのマスメディアの影響とか、アフガンを攻めたブッシュ大統領はアメリカ人のハートをつかんだ結果であるとかである。
勿論それは意識してやっていることである。

この「2・6・2の法則」はアメリカにも、イスラエルにも、ロシアにも、イギリスにも通用する法則なのである。






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