◇ オンリー・イエスタデイ

▼1920年代の米国社会を活写したF・L・アレンの古典的名著『オンリー・イエスタデイ』は、29年11月13日・ウォール街崩壊の日までを綿密克明につづっていた。ちょうどジェットコースターが頂上までのぼりつめ、それから一気に駆け下りるように…。 ▼アレンはこまごまとした社会現象や歴史の事実のかけらを丹念に拾った。シカゴのギャングの犯罪や、空前の土地ブームや、ゴルフ熱とパズルの流行や、女性の短いスカートの丈や、性のモラルの変化と暴走する若者たちの行状を。 ▼そうした時代背景をつぶさに記録し、その筆は全国民熱狂の大強気市場がモザイクとなり、輝かしい頂点へのぼりつめるさまを描いた。バブルは一瞬にしてはじけ、株式市場の大崩落がくる。第一次世界大戦から大恐慌までの十一年をつづっていた。 ▼アレンはそれをオンリー・イエスタデイ、“つい昨日のこと”と呼び、いつまた起きても不思議でないと注意を喚起した。だが同時にこうも述べている。「時の流れはしばしば同一の進路をとることがある。しかしそれはつねに新しい道程にむかって進んでいく。歴史は繰り返しはしない」
             ー産経抄(2002.3.12)
カーペンターズに同名の名曲があるが、当然これとは全く無関係。
世界大恐慌のもとになった、いわゆる「ブラックサーズデイ」がこのページのテーマである。

1929年元旦のワシントンポスト紙1面トップ。
「ことしは好況と予想」という見出しで、ワシントンの銀行家たちが、その前の年と同様に好況だとみている、という記事を載せている。
また、この株大暴落の前週に全米で最も有名な経済学者が「株価はまだまだ上昇する」と大衆を煽っていた。
学者、特に経済学者のいうことがいい加減かがよく分かるというものだが、それを信じている懲りないカタが多い。(特に日本人)

「経済学はくずのデータをコンピュータにいれてくずのデータを出している
 だけだ」
        ーベルマン博士 動的計画法創設者

「嘘には三種類ある。うそ、大うそ、それに統計である」
        ーディズレーリ

「自然科学は実験で再現して確認できるが、社会科学は実験もできないし再現性もないの
 で、何を言っても平気なのだ」
        ーある大学教授のことば    

以下はJokes about economists and economics
     http://www.etla.fi/pkm/JokEc/の日本版による

「経済学とは、二人の人が正反対のことを言ってノーベル賞を受賞できる唯一の分野である」

「経済学者は過去五回の不況のうち、九回を予測している」

「経済学の研究をすると、ふつう、何かを買うに最もよい時期は前年であるということが明らか
 になる」

「経済学者とは、経済について誤った推測をするべく雇われる、専門家である」

「経済学者が二人、道で出会った。一人が尋ねた。「奥さんはお元気ですか?」 相手が答えた。
 「何と比べて?」

「経済学者に電話番号を尋ねたら、推定値を教えられた」

創世記
第一日目、神は太陽を作られた。悪魔はそれに対抗して日蝕を作った。第二日目、神は性の快楽を作られた。悪魔は対抗して結婚を作った。第三日目、神は経済学者を作られた。これには悪魔も困った。悩んだ末に悪魔は経済学者をもう一人作った。

悪魔の力を見よ!!


ある日、イギリス国内の汽車旅行をした時のことであるが、折から白熱の論議に熱中しているらしき三人の紳士と、同じコンパートメソトに乗り合わせる破目になった。
ふと聞き耳を立ててみると、どうやら一人は外科医、あとの二人は建築家と経済学者であるらしい。三人の話題は、仲間のうちで、だれの職業が世界最古のものか、というものだった。
堂々めぐりの議論の末、まず外科医が結論を出した。
「いい加減にしたまえ。疑う余地なしだ。創世記に、神はアダムのあばら骨を切りとってイブを創り給う、とあるではないか。これは、まさに外科手術だよ」と。
だが建築家は、いささかもたじろがない。
「そのはるか以前に、神は全宇宙をカオスの中から創り給うたのだよ。これは建築作業だと思うな」。
そこで経済学者は、ただ一言、
「では、そのカオスを創ったのは、だれかな?」とつぶやいたものだ.

    ーE.F.シューマッハー「宴のあとの経済学」




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