政治は術

◇　政治は科学ではなく術である

ドイツ国内統一を成し遂げ、宿敵フランスを普仏戦争で敗りドイツ帝国を作り上げた、鉄血宰相ビスマルクの言葉である。
この言葉は大変便利。
例えば、
「会社経営は科学ではなく術である」
とか
「医学は科学ではなく術である」
などといえば、何を言っているのかワカランがもっともらしく聞こえ、取りあえず相手を煙に巻くことはできる。

首相になったビスマルクが議会で、
「演説や多数決では現在の大問題は解決されない。これは鉄（兵器）と血（兵隊）によって解決されるのだ」と演説した。
これが有名な鉄血演説で、元々相当血の気の多い人物であったようだ。
自ら仕掛けた幾つもの戦争を通じ幾多の兵の血を流しているビスマルクに比べると
「政（まつりごと）を為すは人にあり」（孔子）
などはいかにも甘ちょろい、評論家的きれい事の世界である。

政治に関する他の格言を列記しておく。

「政治は悪魔と手を結ぶ仕事である」　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ーマックス・ウェーバー

「政治には反権力が必要だ。もし実際に権力があるとするなら、そこに権
　力の行使を制限する反権力がなくてはならない。もしないのなら、どこか
　らか探してこなければならない」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ーミッテラン元仏大統領　

「政治家に徳目を求めるのは、八百屋で魚をくれと言うのに等しい」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー秦野　章元法相

「良い政治家とは、明日、来月、そして来年どうなるかを予告でき、かつ、
　何故そうならなかったかを説明できる人間である」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ーチャーチル　

「政治家というものは川もないのに橋を架けると公約する人間である」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ーフルシチョフ

「政治は血を流さない戦争であり、戦争は血を流す政治である」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー毛沢東

「戦争は他の手段をもってする政治の継続に過ぎない」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ークラウゼウィッツ（戦争論）　

「政治は目的を決め、戦争はこれを達成する」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー同上　

「博愛主義を政治の中に持ち込むべきではない」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ーマキャベリ　　　

「政治家は自分の言ったことを自分で信じていないので、他人が信じると
　びっくりする」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ードゴール大統領

キリがないのでこの辺で止めておこう。
（上記の格言はまた別の場所で取り上げるかもしれない)

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