悪魔のダーウィン賞
■ ジャック・ウェルチ

GE:ウェルチ前会長兼CEOが特別待遇の権利返上

 【ワシントン竹川正記】米複合企業最大手、ゼネラル・エレクトリック(GE)のジャック・ウェルチ前会長兼最高経営責任者(CEO)が、CEO退任後も会社から供与されていた高級マンションや社有機の無料使用の権利を返上したことが分かった。同氏自身が16日付け米ウォールストリート・ジャーナル紙に寄稿し明らかにした。

 同氏は昨年9月までGE会長兼CEOを21年間で務め、同社を電機関連から、金融サービス、放送事業まで手がける一大企業グループに拡大、高収益体質を築いた実績から「20世紀の最も優秀な経営者」(フォーブス誌)との名声を得ていた。

 同氏は寄稿で、特別待遇を受け入れたのは「退職手当てを全て現金で受け取るよりも、会社にとって安上がりと考えたためだ」と説明。「エンロン事件後、社会の企業を見る目が変った」として、特別待遇を放棄を先週半ば、GEに申し入れたことを明らかにした。今後、ニューヨーク・マンハッタンのセントラルパークを見下ろす高級マンションや社有機の使用に年間200万〜250万ドルを支払うという。
 特別待遇は、同氏の退任後、ジェーン夫人との離婚訴訟の中で発覚。米マスコミから「過剰な便宜提供」と批判を浴び、米証券取引委員会(SEC)も非公式の調査に乗り出していた。
        ー[毎日新聞] ( 2002-09-18 )

しかし、ことはこれだけではない。
昨年ウェルチが引退した途端、GEの株は下落を始め、現在は、ピーク時の60ドルから30ドルまで下がってしまった。
彼はGEの業績を上げたとして、「千年に一人の経営者」と呼ばれ(フォーブス)、彼の推定年間報酬(2000年)は90億円といわれている。
が、リストラで20万人以上の首を切り、GEを製造業から金融業に衣かえし、自身の資産形成および維持のため不明朗な会計操作を繰り返していたインチキ男である。
GEは深刻な負の遺産を精算するするため今後何十年も苦しむことになる。

これに比べたら、日本の馬鹿経営者といえどもまともに見えてくるではないか。

「GE社のように尊敬を集める巨大企業でさえ、ジャック・ウェルチ前最高経営
 責任者が収益報告に巧妙に手を加え、企業合併の際に便宜的な会計を行う
 ことによって、現在のうらやむべき名声を築いた」
   ーノーベル経済学受賞者ポール・サミュエルソン(読売新聞2002.8.5)

「混乱していて法的トリックすらある数字が、誇り高い業績を実現している」
   ージョン・ビネガー(マネー2000.10月号)

そして10億ドルと推定されるストックオプションを手にしてGEをさった。
まさに、麻雀で詰めこみ込みをやり、バレル前に「勝ち逃げ(東中暁・文藝春秋10月号)」というスタイルである。


(2002.9..21)



                      
     

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