◇赤いニシン

「冷戦が終わったので、アメリカはソ連の代わりに新しい敵が欲しくなったのだ」

この言葉はアメリカ映画「ライジング・サン」で一人のアメリカ人が日本バッシングについて述べたセリフである。

「a red herring」という英語がある。
辞書をひくと、「赤い鰊、薫製の鰊。推理小説によく使われるテクニックで、読者の注意をわざと混乱させたり、他の方向にそらすようなもの、特に、本当の犯人以外の人に疑いがかかるような手がかりなどを指す」とある。

1800年代の英国では、逃亡者を追うのに犬が使われていた。
逃亡者は追いかけてくる犬から逃れるために、強烈な臭いがするニシン(薫製?)をまいて、
犬の嗅覚を麻痺させたことが由来とのこと。
  ー磯の老人 (http://www10.cds.ne.jp/~fryhsuzk/works/si.html)

これはしかし政治の常套手段でもある。

国内の景気が悪くなって、皆の不満が鬱積してくると皆の目を他にそらすために、ジャパンバッシングを始めたりする。そして、その究極の形が戦争である。
戦争の継続のために、国民の「愛国心」を高め、同時に敵愾心をあおる。どの国もこの単純なパターンを繰り返しているだけなのだ。

現在の韓国、中国の反日感情についてもまったく同様である。
大戦中に日本軍に被害を受けた世代より、その後の世代の方が声だかに反日を訴えるのだ。それは彼らが教育などをとおし、「赤いニシン作戦」に踊らされているからなのである。

そして、勿論アメリカはこの作戦が大のお得意である。
アメリカの「湾岸戦争」、「アフガン空爆」はそれの典型例である。
アメリカのイラク空爆などのニュースが流れないことを祈る。

「愛国心は悪党の最後の拠り所だ」 
          ーサミュエル・ジョンソン

「人類から愛国心を叩きだしてしまわない限り、あなた方は
 決して平穏な世界をもたないだろう」
          ーバーナード・ショウ

「いつの時代でも悪党どもは自分たちの汚らわしい行為に対
 し、宗教と道徳と祖国愛とに奉仕したという仮面をかぶせた
 がるものだ」
          ーハイネ
「いかに多くの罪悪が『国家のため』という美名の仮面のもとに
 なされたことか」
          ーマクドナルド元英国首相

「往時においては、母国のために死ぬことは心地よく、ふさわ
 しいものとされたが、近代戦争では、戦死が心地よく、ふさ
 わしいものは何もない。諸君は犬のように死ぬであろう」
         ーヘミングウェー

映画「ランボー3 怒りのアフガン(1988年)」は、ソ連のアフガン侵攻が進むなか、ランボーのかっての上司がソ連軍の捕虜となり、それを救い出すというあらすじだが、最後は、ランボー一人でソ連軍をやっつけてしまう。
その映画の中のセリフ。
「アフガニスタンは、昔、アレクサンダー大王が、次にチンギスハンが征服を試み、今はソ連だ。でもアフガン人は負けない」(当然今は、この後にアメリカが続く(悪魔))

「この映画を全てのアフガン戦士たちに捧ぐ」。
というのがこの映画のエンドクレジットである。
アメリカ大統領、および国民はこれをなんと見るか・・・

補)上記の記述は(多分)2005年のものだと記憶している。
   その後、不幸にもアメリカによるイラク空爆が行われたのは諸兄の知る所である。







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