◇悪妻は百年の不作であるという.
  しかし,女性にとって、悪夫は百年の飢餓である 

「悪妻は百年の不作であるという.
 しかし,女性にとって,悪夫は百年の飢餓である」
     ー菊地寛

前半の部分を知らない人はいないが、逆に後半を知っている人はまずいないと言ってよい。
昔、悪魔の友人(悪夫)の奥方にこの名言を教えてあげたら、腹を抱えて笑らってくれた。
(数年後、この夫婦は離婚した)

確かに、野口英世の伝記には母親のシカは頻繁に登場するが、父親は全くといってよいほど現れない。それは、この父親がばくち好きで、どうしようもないアル中で生活力ゼロだったからである。
映画「アンジェラの灰」に出てくる父親も似たようなもので、全部しわ寄せが母親にいくのである。

ソクラテス・モーツアルト・夏目漱石・アインシュタイン
と並ぶとなにを連想するだろうか。
この方たちは悪妻を持った旦那様である。
哲学者ソクラテスの妻 クサンティッペ、 作曲家モーツァルトの妻コンスタンツェ、 日本文学の 夏目漱石の妻 鏡子、 科学者アインシュタインの妻 エルザが歴史上もっとも有名な悪妻とされている。

またその中でも、ソクラテスの妻がすごい。
ある日、夫の処遇に腹を立てた妻クサンティッペが猛烈にまくし立てるが、夫は平然とそれを聞き流している。その平静さにさらに腹を立てたクサンティッペが夫にバケツで頭から水を浴びせると、夫ソクラテスは悠然と「雷の後は雨が降るのはあたりまえ」とまったく取り合わなかったという。そのせいか、彼は

「ぜひ結婚しなさい。良い奥さんだったら、幸せになる。
 悪妻だったら、あなたは哲学者になる」
       ―ソクラテス
 という有名な言葉を残している。

「”和気アイアイ”で経営なんぞできるものか」
といったのは帝人の中興の祖、大屋晋三氏だが、氏も家庭ではあの悪妻と”和気アイアイ”とやっていたのだろう。

アメリカの・シュルツ氏が描き続けたマンガ「ピーナッツ」は全世界で読み継がれている。
哲学犬・夢想家(?)のスヌーピーと仲間達とのやりとりが話の中心である。
シュルツ氏(200..2.12没)の前妻もなかなかの悪妻だったようだ。
「ピーナッツ」のなかで、ガミガミで意地悪な女の子ルーシーを登場させているが、これは
前妻ジョイスがモデルではないかといわれている。
1972年にジョイスと離婚。翌年ジーニー・フォーサイスと再婚する。

しかし、幸福になった(はず)のシュルツ氏の作品はみるみる「質・迫力」が落ちてしまった
という。
例えばルーシーも毒がなくなり、大人しくなってなってしまう。
これは一体どういうことなのか。
難しいものではあるが、何となくわかる気もするのである。。

「偉人が悪妻を作るのではなく、悪妻が偉人をつくるのだ」
というようなことわざがあるが、そのとおりかも。

「ずいぶんと敵を持ったけれど、妻よお前のような奴は初めてだ!
      ーバイロン(英詩人)

バイロンも同じか・・・・




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