◇ これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ 

1969年7月20日、アポロ11号が遂に月に到達し、そこから切り離された月着陸船
イーグルが人類初めて月面に降り立った。船長のアームストロング船長が
“Hello Houston, Tranquility Base here, the Eagle has landed”とヒューストンを呼び
出した後の言葉が歴史的になったこの名言である。

「That's one small step for man,one giant leap for mankind」.

というのが彼が月面に第一歩をしるしたときの言葉(もちろん英語)である。
普通はこれでこの名言の解説が終わるのだがそうは行かない。奥が深いのである。

さて、この言葉があまりにも格好いいので本当にアームストロング船長のオリジナル
か否かという議論がアメリカであったらしい。
さすがスピーチの国である。
それに対して本人はこう話している。

「地球に戻れることに不安はなかったが、月面に降りられるかどうかは五分五分
 だったから、前もって言葉は用意しなかった」
と言っている。まさに、月面に第一歩をしるす寸前に思いついた言葉なのだそうだ。
  (引用:「ムイミダス」 清水義範)

ところでこの名言に一つ文法上の問題があった。
それは日本人のもっとも不得意とする冠詞の用法である。
「That's one small step for a man,
 one giant leap for mankind」.
「一人の人間」というのであれば 当然 「a man」でなければならず、単に
「man」とすればmankindと同じ意味になり、何を言ってるのかワカラン!
となるのである(らしい)。
    http://ww.1101.com/suzukichi/2002-12-04.html
なるほど・・・

アメリカのウェブサイトを見てみると
「That's one small step for (a)man,one giant reap for mankind」
というような表記にしているところが多い。
あるいは、”a”を好意的(?)に入れている所もある。

これが、その偉大な(?)足跡の写真である。

October 4, 1998

               http://antwrp.gsfc.nasa.gov/apod/ap981004.html

さて、この言い間違いについてはもちろんアメリカでは数多くのウェブサイトで取り上げられている。
清水義範氏は悪魔の尊敬する人物の一人だが、前述の本の中でこの件に関してこう結
んでいる。
「十六歳でパイロットの資格をとり、朝鮮戦争で空軍に従事し・・・・
 そいういうある面不器用な人間でも、歴史の節目のようなところに立てば、あんな名言
 をはいてしまうということなのである」

では、そろそろ整理をしよう。
・作者が別にいればあのような文法上の間違いを犯す筈はない。
・ちょっと緊張したせいで、教わった文面をつい間違ってしまった。
と両面あるから残念ながら決め手にはならない。

が、あのような名言。とくに短いフレーズというものはそんな思いつきで出るモノではない。
文章は短いモノほど難しいのである。
真偽は藪の中だが、やはり作者は別に(NASAの広報担当など)いたというのが悪魔説で
ある。
(米国のPR技術は半端ではない)

*1
◇おまけ: アームストロングのもう一つのメッセージ

月面での作業が終わり着陸船に戻る前、管制センターとの交信の中で、でアームストロングは謎めいたこんな言葉を言ったのだ。
「幸運を祈る、ミスター・ゴルスキー」
後にこの意味を尋ねられた彼は一切答えることはなかった。

1995年になり、フロリダで講演会に続く質疑応答の時間にリポーターがこの質問をまた持ち出した。もうミスター・ゴルスキーも亡くなってしまい、この質問に答えてもいいと思ったのだろうか、彼は遂に話し出した。

子供の頃、子供の頃、ニールが裏庭で兄さんと野球をしていた時だった。
兄さんの打ち上げたボールが隣の家の寝室の前に落ちた。
そのときその家に住んでいたのがゴルスキー夫妻だった。
ニールがボールを拾おうと体をかがめたとき、ゴルスキーの奥さんの叫ぶ声が聞こえた、
「お前さん、オーラル・セックスだって? 口でして欲しいだって?

そんなこと、隣の子が月にでも行くようになったらしてやるよ」

(http://www.king-of-china.com/20031105-2.htm)

これはアメリカのサイトからのものを翻訳してくれたモノ。

When Apollo Mission Astronaut Neil Armstrong first walked on the moon, he not only gave his famous "one small step for man, one giant leap for mankind" statement but followed it by several remarks, usual com traffic between him, the other astronauts and Mission Control. Just before he re-entered the lander, however, he made the enigmatic remark "Good luck, Mr. Gorsky."

Many people at NASA thought it was a casual remark concerning some rival Soviet Cosmonaut. However, upon checking, there was no Gorsky in either the Russian or American space programs. Over the years many people questioned Armstrong as to what the "Good luck, Mr. Gorsky" statement meant, but Armstrong always just smiled.

On July 5, 1995 (in Tampa Bay, FL) while answering questions following a speech, a reporter brought up the 26 year old question to Armstrong. This time he finally responded. Mr. Gorsky had finally died and so Neil Armstrong felt he could answer the question.

When he was a kid, he was playing baseball with a friend in the backyard. His friend hit a fly ball which landed in the front of his neighbor's bedroom windows. His neighbors were Mr. & Mrs. Gorsky.

As he leaned down to pick up the ball, young Armstrong heard Mrs. Gorsky shouting at Mr. Gorsky, "Oral sex! You want oral sex?! You'll get oral sex when the kid next door walks on the moon!"

True story. http://urbanlegends.about.com/library/blgorsky.htm


この話はフィクションだというサイトもある。
http://www.snopes.com/quotes/mrgorsky.htm

"Good luck, Mr. Gorsky."と言ったのは事実だが、後はどうもジョークが一人歩きした感じだ。
これに関するアメリカのサイトは凄い数である。アメリカでは有名な話のようだ。

*1:追加(2004.4.30)
 

 




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