◇郷に入りては郷に従え

英語で言うと「Do in Roma as Roman's do」(ローマにありては ローマ人のごとくせよ)。
という有名なことわざ。

他の国に行ったら、そこの国の習慣、風習、好み、価値観などを認めそしてそれに従いなさい、ということである。
長谷川町子の「意地悪ばあさん」のなかで、ばあさんが嫁さんのこさえた雑巾を取り上げ、
「我が家の運針とは違う」
と言ってやり直させるという一コマがあった。
むかし読んだこの漫画をなぜかよく覚えている。
今時、運針などは死語であるが、この場でいうと雑巾の縫い方が違うと言っているのである。
他人の家に入ったら「その家のしきたりに従いなさい」ということだ。

定年になったおじさんが「ボランティアでも」など、その世界に飛び込んでも、すぐに会社にいたときの癖で、若者に
「君、茶髪はちょっと・・」とか
「こうすべきじゃないか?」
などと余計なことを口に出すものだから、すぐに浮いてしまう。
そういうことをいさめた名言である。

逆に言うと、格言、名言とは「分かっているけど、実際できない」ということが常である。

そして、どこの国にも、コーラとジーンズとハンバーグを売り込み、その国の文化をぶち壊していくアメリカがその典型である。
そして、価値観と宗教観も押し売りをする。
困ったものだ。

「郷に入りては オレに従え」
  ー悪魔の友人であるデーモン山口氏のお言葉

これがアメリカ流のやり方である。


「日本は何という恐ろしい早さで近代化していくのであろうか。
 それは、服装や建築、習慣ではなく、心と態度においてである」
  ーラフカディオ・ハーン(小泉八雲)
 (父は英国人・母はギリシャ人・大叔母はアイルランド人)

「日本は欧米の文化を取り入れ、自分たちの文化をことごとく変えようとしてい
 る。イヤリングをつけ、破れたジーンズを履くような文化に染まれば君たちも駄
 目になる」
  ーマハティール首相 (マレーシアの若者を前にして 共同 2002.10.12)

「日本人とは何か、一言でいってみる。それは『ニセ毛唐だ』」
   ー山本夏彦「良心的」

「現在の日本にはいささかがっかりしている。日本は今、西洋と同じ事をするため
 に『ルックウエスト』を試みている。 日本が自らの流儀で築いてきた多くの物事
 を破壊している。 多くの過ちを犯している。
 私達が日本を手本にしたいと思っているのに、逆に日本は西洋文化を取り入れ、
 自分たちの文化をことごとく変えようとしている」
    ーマハティール首相 (朝日新聞・新世紀を語る 2000.11.4)

が、これはアメリカが意図した対日本文化戦略が成功したということなのだ。

「アメリカ転勤のお父さんに連れてこられた幼稚園児が、街角で赤地に黄色にM
 の字が浮かんだ店を指さして叫んだ。
『あつ、お父さん、アメリカにもマクドナルドがあるよ』
      ー上原淳一郎「読むクスリ」

これはアメリカ人に大受けするジョークだが、笑い事ではない。





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