◇ギャンブラーの破滅

統計上の有名な現象として「ギャンブラーの破滅」と呼ばれるものがある。
ギャンブラーの勝率をグラフ化して分かるのは、勝ちだすと一定期間勝ち続け、負ければ一定期間負け続けるのだ。この現象はあらゆるものは当てはまる。すなわち、ものごとには波がある。
気象も株式相場も心臓のリズムも。一旦事態が悪化すれば悪い状態は続く傾向がある。 ー ジェラシックパーク2(ロストワールド)

これは、カオス理論で説明されている話である。
カジノなどでゲームに興じるギャンブラーは、普通に考えれば勝ったり、負けたりの筈。一般的な統計学でもそう教えている。ところが、カオス理論ではある時に負けるパターンが一定期間続くために結局有り金を使い果たして必ず負ける、というのである。
そして、これは日常生活その他でも必ず現れる現象のようだ。
 
さて、ここで問題にするのはアメリカである。
アメリカは建国以来(以前も)いまだかって負けを知らない。
まさに連戦連勝,百戦百勝である。
日本が一時「麻雀の一人勝ち」などと言われたことがあるが、アメリカに比べれば可愛いものである。
最大の敵であったソビエト連邦が解体して、さらにアメリカの地位は飛躍的に向上した。
ここでもアメリカは勝利した。
今や、アメリカはかってのローマ帝国を遙かにしのぐ大帝国となったのである。

しかし、ソビエト連邦の解体、消滅に一番衝撃を受けたのは実はアメリカである。
そして、CIAおよび軍、そして軍需産業である。敵がいなければスパイなど必要なくなる。軍産連合体はつねに敵が必要なのだ。そして、映画の活劇と同じで敵はほどほど強い方がいいのである。対共産主義国に米国製の武器が売れたのもソ連のお陰なのである。

アメリカの軍事予算はなんと3000億ドルを(国家予算2兆2千億ドル(2002年))超える。そして武器輸出額はダントツの世界一で90億ドルと言われている。まさに死の商人であう。

今(2003年3月)、イラク攻撃をついに開始したアメリカがある。しかし、イラクなどソ連に比べると横綱と序二段くらい、象さんとアリンコくらいの差があり、いったん米軍が攻撃すればアッというまの戦争であろう。
そして、その後はまた色々のウソをでっち上げ、新しい敵を探さなければならない。
イラクの後はイランか。いずれにしても、アメリカの敵は少なくなる一方である。
この勝ち続けるならず者ギャンブラーアメリカが破滅する日は一体いつなのか。
敵が一人でもいなくなればギャンブルは成立せず、従って勝つこともできなくなるということか。

「アメリカはどこにいても万人にとっての正義であり、真実であり、不変で ある
 がゆえに、アメリカは自由と正義を守ることによって(世界を)指導して いくだ
 ろう」
   ーブッシュ大統領の演説より

正義については別のページで述べた。いまさらこの演説に対して言う言葉はない。

アインシュタインの名言に
「神はサイコロを振ることはない」
というのがある。
が、ブッシュがたびたび口に出す「神」がブッシュのことを許すなら、
こう言い換えるべきだろう

「神もなんどかは危険なサイコロを振るう」

神も危険なギャンブラーか。






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