◇神はユダヤ民族だけの神ではない、他民族をも見守る神である 

ユダヤ民族がローマ帝国の支配にあったころ、ユダヤ教徒の一人であったイエス・キリストが言った言葉である。
キリストは、この言葉が原因でユダヤ民族の再興を祈るユダヤ教徒の怒りを買い、最終的にゴルゴダの丘で処刑されてしまう。

このように言ったキリストの教えを基に、弟子たちが彼の死後にキリスト教の布教を始める。このキリスト教を信ずるアメリカのブッシュ大統領が
「キリスト教を信ずるものだけが神の元に行けるのだ」
といって、母親と論争したという話しがある。
 「毎日新聞 2003.1.1」
この程度(小学生なみ)の宗教観しか持っていない大統領だから、
「イラクを攻撃するために新たな十字軍を派遣する」 *注1 
などという禁句を口にする。
本当に大バカ・バカ者である。

話がすぐ横にそれる。聖書の話であった。
聖書には「旧約聖書」と「新約聖書」の二つがある。(厳密には他にもあるが)
”旧約”、”新約”の本来の意味を知らない人が大半であろう。
「旧約聖書」というのはキリスト教以前からあったもの。即ちユダヤ教の「聖典」である。
キリストの死後、彼の弟子達がまとめたのが「新約聖書」。新しいものが出来たので、便宜上、以前のものを「旧約聖書」と勝手に名前を変えてしまったのだ。
したがって、今でもユダヤ教にとっては「旧約聖書」という呼び名は存在しない。単に”聖書”とよぶ。
”約”とは神との約束という意味。
キリスト教徒にとっての「旧約(ユダヤ教の聖書)」とはモーゼの十戒のように最低限人間として守らなければならない、神との約束ごと(契約)なのである。
「新約」とはそれに対して、神がイエスを中心としてなされた救いに関する契約である。
まことにいい加減な理屈である。神との約束に古いも新しいもあるはずがないではないか。

実は、イスラム教の原典も「旧約聖書」である。
したがって、ユダヤ教もキリスト教もイスラム教も本来、「神」は同一なのである。
キリスト、ユダヤ教とキリスト教は、発生起源がイスラムより古いせいか、イスラム教を認めようとしないが、過激と思われている、イスラム側はキリスト教、ユダヤ教とも認知しているし、モーセやイエスまでも“預言者”として認めている。
ユダヤ教では、キリストをメシアとして認めていない。彼は単なる(邪悪な)ユダヤ教徒にすぎない。
キリスト教世界である西欧側の報道により、イスラム教徒を破壊者のように思う人も多いが、実際はそうではない。実態はかなり心の広い宗教なのである。

長々書いたが、要は「宗教戦争」などというものは存在せず、「宗教」の名前を借りた侵略戦争のみが存在するのである。
スペインなどによるラテンアメリカへの侵略も同じたぐいである。
悪魔はキリストなど信用していないが、”神は民族を差別しない”という点だけは彼を評価しておる。

「悪魔でも聖書を引くことができる、身勝手な目的にな」
    ーシェークスピア(ベニスの商人) 

・ちなみにイエス・キリストのイエスは平凡なユダヤ民族の名前。
そして、キリストはヘブライ語のメシア(救世主)を意味するギリシア語訳。
したがって、イエスの一人が後にキリストと呼ばれ、イエス・キリストとも呼ばれるようになった。このイエスが自らをメシア(救世主)と公然と称していたことはほとんどなく、むしろ隠していたという記述がある。キリスト教の誕生はイエスの死後の出来事である。
   http://www1.jca.apc.org/aml/200109/23733.htmlより引用。
イエスを救世主としたのはキリスト教徒。ユダヤ教にとって、救世主は未だに現れていない。

・クリスマス(Christmas)はキリスト(Christ)の祭日(mas)という意味。
 クリスマス商戦などで ”Xmas”と綴ることがあるのは、キリストを表すギリシア語Xristosからきたもの。X'masとアポストロフィーをつけることも多いが、これは間違い。

注1.”十字軍”という言葉はアラブ諸国の中ではアレルギー反応を起こす原因となる。
アラブ諸国はかっての十字軍(キリスト教の軍隊)に乱暴狼藉の限りを尽くされたからである。国際赤十字社も「赤十字マーク」がアラブ諸国ではキリスト教(十字軍)をイメージすることから、「赤新月」のマークを(社名も赤新月社)採用しているくらいである。

          
・赤新月社の標章      ・国際赤十字社の標章


<十戒>
「汝、殺すなかれ」、「汝、姦淫するなかれ」など、モーゼが示した十箇条の戒だが、イギリスでは十戒でなく十一戒だとされている。そして、一番守らなければならないのはその十一番目の戒めだと教えられているそうである。第十一番戒さえ厳守していれば、そのまえの十箇条はどうでもいいというのだが、その第十一戒というのは、
「汝、見つかるなかれ」である。
  ー塩田丸男 「ジョーク雑学大百科」」


・”紀元前”と日本語では言うが英語表記は”BC”これは なんと”Before Christ、”AD”は
”Anno Domini=主の年【すなわちキリストの年・ラテン語】”である。何故世界の年号(西暦)がキリスト誕生を基本にしなければいけないのか。誠に横暴の極みである。

・ミレニアム(millennium) 英語で1000年間を意味する。
語源はラテン語でミレ(千)とアヌス(年)からなる語である。
本来はキリスト教用語で、「千年王国」「千年期」を意味する
「この第一の復活にあずかる者は幸いな者、聖なる者である。この人々に対しては、第二の死は、なんの力も持っていない。彼らは神とキリストとの祭司となり、キリストとともに、千年の間王となる。」
         新約聖書のヨハネの黙示録20章6節

この聖書の記述による千年という期間を「ミレニアム」という。
すなわち、イエス・キリストを信じた者が復活した時、キリストとともに千年間過ごす期間を言う。
このときこそ正義が支配し、真の平和が実現するときである。
なお学者の間では、この千年の意味とその時期について説が分かれている。
http://hccweb1.bai.ne.jp/kura/kirisuto/mame1.htmより引用







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