江戸川柳の一句(?)である。
我が国(日本)では親が亡くなると近親者が集まって形見分けをする。普通は忌明けの四十九日に行うことが多いようだが、特に日にちが決まっている訳ではない。冒頭に「我が国」とわざわざ断ったのはこの風習が日本だけであり、外国には見られないからだ。(似たようなことはやっているだろうが・・・)
悪魔はダジャレ、オヤジギャグばかり飛ばす日本人のユーモア感覚にはいつもガックリさせられるが、このような川柳を見ると決して捨てたモノではない。
形見分けの会(?)の情景が目に浮かぶではないか。
グッサリと人の心臓をえぐるようなマークトウェインの世界である。
ほんの先ほどまで「お母さまは・・」といって涙をながしていたのが、急にまなじりを決してとにかく欲しがるのある。人より良いモノを欲しがる。人に取られるのなら下らないモノでも欲しがる。
人間の「欲」がモロにでる場面かも知れない。
そして、こうした場面に圧倒的に強いのは女性である。と思うのは悪魔だけではあるまい。
「形見分け貰う気で下女やたら泣き」
「形見分け初めて嫁の欲が知れ」
「泣きながらまなこ(眼)を配る形見分け」
「形見分けの今でも悔やむ総絞り」
「正宗で甚だもめる形見分け」
「骨揚げに泣き泣き金歯探して居」
「財産を、取り合い、位牌譲り合う」

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