◇目に見えるものはいつも別の見えるものを隠している 

20世紀でもっとも重要な芸術家の一人である、ルネ・マグリット(ベルギー)のお言葉。
シュールリアリズムの画家である彼の絵は、不思議な世界に人々を誘い込む。

このお言葉は彼の代表作の一つ「白紙委任状」(下の絵)についていた本人の解説文である。

星の王子様(サン=テグジュペリ作)の「大事なことって目には見えないのだよ」という言葉を別項で紹介したが、マグリットの絵はそれの証明である。

その他のマグリットのお言葉

「一枚の絵の中でことばはイメージと同体なのです。そこではイメージもことば
 も別に見えます」

「私には表現するものがありません。ただイメージだけを追い求め新しいイメージ
 を生み出しているだけなのです」

「大切なのはイメージだけなのですから。私は死や生を超越したものを描いてい
 るのです。イメージを通じて私の思考の向こう側にあるものを」

「目に見えないものを私たちの視界から隠すことはできません」

「私の作品とは目に見えるかたちの考え方そのもので、その考えは世界が私に
 与えてくれる像によってのみ形成される。そして、その像はある秩序に集約さ
 れ謎を呼び起こすのです」

「私の作品は、私が何かを隠しているのではなく、視覚的イメージを描いたもの
 です。
 しかし、私の絵は謎をよび起こし、『これは何を意味するのか』と考える。
 しかし、それは意味のないことです。なぜならば、誰にも意味などないから
 だし、知ることが出来ないものなのです」

どうやら、優れた芸術家は悪魔にも見えない、聞こえない何かがはっきりと見え、
そして聞こえるようだ。
   

(白紙委任状) 

 (LE SE'DECTEUR)
 

  饗宴 (Le Banquet)1962年

ルネ・マグリット(1898-1967)






アクセスカウンター
 [カウンター]