◇走るなかれ、飛ぶなかれ 

塩田丸男氏(天下のヤジウマ)のお言葉

同氏は続いて、こんな文章を紹介している。
「マラソンだとかジョギングだとか、妙なことを人間はするものだね。野生の動物を
 見たまえ。 用もないのにあんな長い時間、汗水たらして走っているものなんか
 いやしないいよ。
 第一、健康にだってよくない」
 
この名言を吐いたのは、名前は定かではないが、陸軍大学から東大を出て、戦時中は陸軍の少将で軍用食の開発で功績のあったという大変な人の発言だけに重みがある。

健康法と称して、ジョギングが盛んに行われたが、その発案者がジョギング中に心臓発作で亡くなるというブラックジョークが全てをあらわしている。

マラソンにしても、100m競争にしても、ただ速く走ることがそんなに偉いのか?
走るだけなら、チータの方が早いだろうし、泳ぐのならマグロの方が遙かに早い。

オリンピックのメダリストの平均寿命は一般のひとよりも短いという調査結果もあるというが、まあ、このたぐいの調査はあまりあてにはならないが、少なくとも健康によくないのは事実。ソウルオリンピック、陸上競技女子100m、200m、リレーの金メダリストであるフローレンス・グリフィス・ジョイナー選手は38歳という若さで死亡した。 ドーピングが原因との説もあるが、薬物まで使って走るのだとしたら、さらに健康によくない。

「無理をするからいけない」
という説がある。これは一理あるが、だいたいにおいて、青梅マラソンのように群れて走りたがるのだから、どうしたって頑張ってしまう。無理をしてしまうのである。 本当に「健康のために」という目的なら、大会ではなく一人で走ればよい。大会に出るのは、人に勝ちたいとか、いいかっこをしたいとかいう心理が働いているからである。
マラソンなどというものはそもそも人間には無理なスポーツなのである。
動物は、生きていく上に必要な能力しか授かっていない。と考えれば簡単である。人間の走る能力はせいぜい、遅刻しそうになった時にエンヤコラと走る距離とスピード程度しか授かっていないのである。あるいは火事になって逃げる時とか、要は非常用の武器なのであって、それを常時使えば故障するのは当然である。

「飛ぶなかれ」の方は、人が自分の腕に羽をつけて飛ぶことは諦めたからよい。
いや、そのはずなのだがそうでもない。バンジージャンプ、スキーのジャンプ、水泳の高跳びこみなどの愚行が未だに存在するからである。飛行機にも本当は乗ってはいけない。
「飛行機の事故率は、車に比べると遙かにすくない」などというインチキな統計を信用してはならない。

マラソンの距離数は42.195キロだ。
その長さはどういう理由で決められたか。
「死ニ行ク」
というのは単なる語呂合わせにすぎないのだが・・・・・

*これも冒頭の塩田丸男氏の「天下のヤジウマ」よりいただいた。









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