◇生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ

これはどなたでもご存じの、シェークスピアの有名なお言葉である。
「To be or not to be; that is the question」.
の日本語訳なのだが・・・・。
しかし、なんとなく知っているつもりになっているものの、真の意味は
なんであろうか、意外と分かっていないように思う。

(1)「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」
(2)「生か、死か、それが疑問だ」(福田恆存、1967年)
(3)「死ぬるが増しか、生くるが増しか、思案をするはここぞかし」(外山正一、1882年)
(4)「世に在る、在らぬ、それが疑問じゃ」(坪内逍遥 、1909年)
(5)「生きるか、死ぬか、そこが問題なのだ」(市河三喜・松浦嘉一、1949年)
(6)「やる、やらぬ、それが問題だ」(小津次郎、1968年)
(7)「このままでいいのか、いけないのか、それが問題だ」(小田島雄志、1972年)

http://www.wako.ac.jp/bungaku/teachers/nomura/nomura017.html 
より引用。

これ以外にも沢山の訳があると言われている。

この訳について書いているときりがないのでこれまでとする。
要するに日本語訳には、かなりの混乱があることを理解して欲しい。

悪魔が言いたいのは「問題」という日本語の定義である。
では「問題」とはなにか。

@分からないこと   ・・・・・・ 疑問・質問
A困っていること   ・・・・・・ 困惑・悶着
B変わっていること  ・・・・・・ 異常・逸脱
C予期せざる事    ・・・・・・ 事故・事件
D達成すべき事    ・・・・・・ 課題・タスク
E議論すべき事     ・・・・・・ 議題・テーマ
F結論を出すべきこと ・・・・・・ 懸案・提案
G意見が分かれること ・・・・・・ 争点・論点
(佐藤允一著 「問題構造学入門」より)
要するに、日本人は何でもかんでも「問題・問題!」と言っていることが
これでよくわかる。

英語では明確に定義されているところの、
・Problem(困ったこと)
・Qustion(疑問)
・Issue (課題)
・Subject(やらなくてはいけないこと)
・Trouble(トラブル)

などが、日本語ではすべて「問題」と表現されることになる。
「生きるべきか、死ぬべきか・・・」
の日本語訳をもう一度見比べるとそれがよく分かるのである。
(前出のウェブサイトに多くの日本語訳から正しいと思われるものが選ばれている)

さて、ここで「問題」(前振りが長かったが、本当の本題はこれから。
             でも正確にはQuestionですね)

1.いまここに人生に絶望した一人の娼婦がいてわが運命をはかなみ
  セーヌ河に身を投げようとしている.
  君は何といって彼女の自殺 を思いとどませるか

答:[いっぱついくら?]
  (アランがアンドレモロアが大学卒業するとき出した問題)

2.「貴女がシャワーを浴びている最中に突然、男がドアーを
  開けました。とっさに貴女はバストか、アソコかどっちを
  隠しますか」

答:どちらが見えても、何だか得したという感じになるそうで、
  一番つまらないのは顔が見えない場合。
  つまり、正解は「顔を隠す」でした。
   (米原真理著 書名は失念)






 
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