◇このプロテスタント野郎!

カトリックがほとんどのアイルランド共和国で最大の悪罵は「このプロテスタント野郎!」。

司馬遼太郎が「愛蘭度紀行」で紹介しているものだ。

アイルランドには昔からイギリスに虐められ続けた長い長い歴史がある。
それこそ日本とドコゾの関係の比ではない。

そして、北アイルランドは未だにイギリスに属している。
驚いたことにこのことを日本人の大半が知らないのではなかろうか。
イギリスの正式国家名称は
「The United Kindom of Great Britain and Northern Ireland(グレートブリ
テンおよび北部アイルランド連合王国)」
という長いモノである。


最近はイラクのゲリラが有名(?)だが、アイルランド国家統一を目指す
カソリック系過激派のIRA(Irish Republican Army)もなかなかの活躍であった。

ハリウッド映画ではIRAというと悪役だが、イギリスも軍隊でアイルランド国民を弾圧したりで決して負けていないのである。

正に昔年の恨みを込めた言葉がこの
「このプロテスタント野郎!」である。
すなわち、「プロテスタント野郎!=イギリス野郎!」だ。
元々、アイルランド人の大半はカソリックであったからこの言葉がある。
そして、英国はこの宗教(プロテスタント)を利用してアイルランドを弾圧し続けた歴史は消しようがない。

かの、ビートルズは4人のうちリンゴスターを除く三人はアイルランドがルーツである。
ジョンレノン、ポールマッカートニーはイギリスの軍隊がかって、民衆を銃殺した有名な事件に対して「血まみれの日曜日」などの曲を作っている。
が、彼らの出身などを知らないと理由がわからないだろう。

ちなみにこの曲はイギリス国営放送(BBC)では放送禁止になっている。

放送禁止にする一方でビートルズに「サー」の称号を与えるところもイギリスな
のだろうか。

アイルランドにはこんなことわざも。
「イギリス人は
 悪人を見ると皆アイルランド人、とよび
 成功するとイギリス人、とよぶ」

アイルランドに行ったら、間違ってもイギリス人のことを誉めないことだ。
パブでジョークでもそれらしきことをいったら、一挙に場が凍りつくこと間違い
なし。

これはアメリカンジョーク

<危険な町>

アメリカ人がアイルランドを旅行していた。

ベルファストに着いたとき、地元の文化を見ようと、ぶらぶらと出かけた。しばらく歩いたところで、誰かが後ろから駆け寄って背中に銃を突き付けた。

その男は旅行者に聞いた。「おまえ、カトリックか、プロテスタントか?」

アメリカ人は考えた。「ううむ──もしカトリックだと言って、こいつがプロテスタントだったらやばい。
プロテスタントだと答えて、やつがカトリックだとまずい。どっちにしても命はない。その時、ぱっとひらめいて、後ろの男に言った。
「実は、ユダヤ人なんだ」これなら絶対安全なはずだ、とアメリカ人は思った。

後ろの男が言った。「ううむ、おれって、アイルランドで一番ついてるアラブ人かもしれんな」


「血の日曜日事件」については「アイルランド歴史資料館」
http://hanran.tripod.com/irish/record/1972blood.html
ポール・マッカートニーとジョン・レノンの曲については「ビートルズ相聞歌」
http://www.hitobito.net/navipage/con010.asp?navi=fabfour&CID=16&ID=109
「北アイルランドの歴史」については
http://www.niyoniyo.net/vol9/hitolibrary/lecture/northireland.htm
を参照のこと。トリックだった、ということになる。どっちにしても命はない。その時、ぱっとひらめいて、後ろの男に言った。「実は、ユダヤ人なんだ。」これなら絶対安全なはずだ、とアメリカ人は思った。
後ろの男が言った。「ううむ、おれって、アイルランドで一番ついてるアラブ人かもしれんな」




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