◇少年老イ易ク学成リ難シ 

「少年老イ易ク学成リ難シ、老人益々老イ易ク トイレ近クナルナリ」
狐狸庵先生こと遠藤周作氏「それいけ狐狸庵」のなかのお言葉。

原典は
「少年老イ易ク学成リ難シ 一寸ノ光陰軽ンズベカラズ」
古い中国の漢詩である。
”光陰”の”光”は太陽、そして”陰”とは”月”のこと。
すなわち、一時間、一日、一月、一年はすぐ過ぎ去っていきまっせ。
ということである。
だから一寸した時間を大事にしなアカン。と言っているわけだが、
「光陰矢のごとし」というがごとく、時間がどんどん過ぎ去ってくれる方がいいことだって世の中にはたくさんある。
というようなことはどうでもよい、老人問題についてである。

老齢化の問題がマスコミでもたびたび取り上げられるが、確かにいわゆる”老齢人口”は確実に増加の一途である。

昭和30年(1955年)の65歳以上の人口は4,786(千)人、総人口比率 5.3%。
それが、
平成12年(2000年)には8,885(千)人、総人口比率 17.2%
となり、さらに約30年後には
平成42年(2030年)には32,768(千)人、総人口比率 28.0%
になると予想されている。凄い数字ですね。

このような老齢人口の増大にともなって、”老人パワー”というような言葉が生まれ、元気なお年寄りの活躍も増えているのではなかろうか。
問題はこの”元気なお年寄り”である。言い換えれば”若いお年寄り(?)”である。
歳をとれば当然若いときと同じ訳にはいかない。あらゆる場面でそうである。
それに逆らうのは神の摂理に背いているのである(別に構わないが・・・)。
しかも、元気なお年寄りは他の連中に対しそれを威張りたがる。または、自分の”元気の秘訣”を押しつけたがる。
それは、ジョギングであったり、健康食品であったり、肉がよい、登山だ、納豆を食うとよい、スイミング・・・・・・・
”登山をすると元気になる”のではなく、”元気だから登山が出来る”
のである。
”肉を食うと元気になる”のではなく、”元気だから肉が食える"
のだ。
ご先祖様から頂いた頑丈な体を、ご先祖様に感謝することを忘れて自分の健康法のお陰だと考えるのは思い違いも甚だしい。
もっとも、他人に対するお節介という行動もお年寄りの特徴の一つではあるのだが。
元気なお年寄りと言っても、必ずしも頭が元気というわけにはいかないからだ。

「くどくなる 気短になる 愚痴になる でしゃばりたがる 世話をやきたがる」
 が老人の特徴.
      - 仙崖和尚

@与えられた時間の2倍以上しゃべる
A一日に3回同じ話をする
Bすべての他人の動きを疑う
C最後に会った人の言動に左右されがち
D「お前の言うことなど聞きたくないね」と月2回以上言った
     -小田晋・筑波大学精神衛生学教授の分析

「老人は少壮者のじゃまをしないようにするということが一番大切であろう」          
      ー伊庭貞剛

「老年の悲劇は,彼が老いたからではなく,彼がまだ若いところに ある」
      ーオスカーワイルド

「老年はわれわれの顔よりも
 心に多くの皺を刻む」
     ーメンテにニュー「エセー」より

「青年は恋愛をほしがり、壮年は地位をほしがり、老年は貪欲にな って、
 地位も金も名誉も、すべてをほしがる」
     ーアラン『幸福論』 

「アメリカに黒人問題はない。
 すべて白人問題である」
     ーサルトル
をもじっていえば、

「日本に老人問題はない。
 すべて”若い老人”問題である」
ということになる。

65歳以上の老人は何をもって現役か非現役の目安にするか
@テーブルスピーチを5分以内にまとめることができる.
A30分間の会話の中で、同じ話を繰り返さない.
Bココマデは自分はわかっている。しかし、ソレカラ先はわからないと自分の智識と理解力の限界を知っている。それ故、自分 の知らないソレカラ先のことは謙虚に学ぼうとする。
    ー扇谷 生造

「女達にとっての地獄は
 老いである」
    ーラ・ロシュフーコー

「老いは、死よりもさらにおぞましい」
    ーシモーヌ・ド・ボーボワール 「老い」より


・参考資料
平成10年までは総務庁統計局「国勢調査」および「推計人口」
平成12年以降は厚生省人口問題研究所「日本の将来人口」
 (平成9年1月)の中位推計値(各年10月1日現在)

(出典)「平成11年度高齢者保健福祉施策のあらまし」(滋賀県健康福祉部)





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