◇ 強がりが 雪に転んで 周り見る
「新手一生」などの言葉で有名な升田九段の川柳である。

昭和25年、当時の木村名人を徹底的に意識した升田八段(当時)、
「名人なんかゴミみたいなものだ」(升田)
 「名人がゴミなら、君はなんだ」(木村)
「ゴミにたかるハエみたいなもの」(升田)

という二人の会話も有名である。

清水市代女流王将とコンピューター将棋ソフト「あから2010」の特別対局が10月11日(2010年)、東京都文京区の東京大学工学部で行われた。
勝者(?)はコンピュータソフト。
IBM製コンピュータがチェスの名人に勝利したのは1997年。
(小生のウェブサイト http://park23.wakwak.com/~fujix/kSal.htmをご参考に)

だが、コンピュータがプロ棋士に勝ったのはこれが初めてである。
文句があるとすれば、「あから2010」というのは情報処理学会による「トッププロ棋士に勝つ将棋プロジェクト」特製システムとのこと。
「激指」、「ボナンザ」など4ソフトが多数決で指し手を決める。
現在の将棋ソフトは極めて強い。それが4組のソフトで検討し合って差し手を決めるのはちょっと棋士にとっては厳しすぎるのではなかろうか。

この後は、将棋に関する名言である。

将棋ソフトがいくら強くなっても、このような名言を作れないことは間違いない。


「指してこなして力となる」
    ー升田幸三
「指す手はすぐわかる。いろいろの手を整理できるのが力量である」
    ー同上
「精読するという概念から、もう一歩突っこんで、不可能を可能にする努力、
 ―将棋を創作し、また、勝負を勝ちきるには、この“えぐる”という修練が
 必要である」
     ー同上

「勝つのは一点差でいい。
 五点も十点も大差をつけて勝つ必要はない。
 常にギリギリの勝ちを目ざしているほうが、
 むしろ確実性が高くなる」
    ー羽生善治
「直感には邪念の入りようがない。
 長く考えると言うのは道に迷っている状態なんですね。
 『勝ちたい』とか余計な思考も入ってくる。
 だから、いくら考えても分からない時は、
 最初に戻って直感にゆだねることがよくあります
    ー同上

「物事を忘れるのは、
 脳がそれを必要としないと判断したから」
    ー同上

「初手は角道を開けるとか、飛車先の歩を突くのが当たり前じゃないかと思われ
 ていますけれども、必ずしも絶対そうだとは言い切れないような気がしているん
 です」
    ー同上

「憶えることと考えることは、全く違うことで、脳は憶えるという作業では汗を
 かかない。考えて、考えて、考え抜いてはじめて汗をかく」
    ー米長邦雄
「痛恨の一局とは,タイトルを失ったり,A級を落ちた将棋とかを
 すぐ思うが,案外そうではない.その一局の勝負の重みが第一で
 第二が相手だ.将棋は一人じゃ指せない.何よりいい相手がいる.
 そこからいい将棋が生まれ,いい敗局もでる.それが恩師になる」
    ー同上(勝負) 
    

「ミスには、それ以前に、誘発する他の原因がある。
 落とし穴がある。
 経験はプラスにもなるが、
 マイナスになることもあるのだ」
  ー谷川浩司


テレビ東京の30秒将棋に出場したときのこと

「あと何分?」 
   ー加藤一二三








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