◇ 僕はCABLINASIANです

アメリカの白人至上主義については別項でも取り上げたが、もう一度・・・

「人種はと訊かれたら人間と答える。僕はCABLINASIANです」
プロゴルファー、タイガー・ウッズの言葉。

「CABLINASIAN」というのは

CA=Casian=白人種
BL=Black=黒人
IN=Indian=インディアン
ASIAN=Asian=アジア人
を足した彼の造語

正確にはタイガーは1/4黒人、1/4タイ、1/4中国、1/8白人、1/8 アメリカインディアンの多人種混血だ。
「それらが一体になっているのが自分であって、単に黒人と表現されたくない。
 僕は僕なんだ。
 学生時代に人種を申告する欄があってどれを選択すればいいのかわからな
 かった。仕方なく黒人とアジア系の二つに印をしていた」

アメリカでは5つの人種から自らが一つを特定し申告しなければならない。
犯罪捜査などに役立てるためのようだが、指紋を採るよりもっと酷いのではないかと思う。

 
あの第二次世界大戦において、すでに敗戦が決定的な日本に、米国が原爆を落とし、多くの「非戦闘員」を殺伐して平気なのも、この白人至上主義が大きく影響していることは間違いのないところである。
(非戦闘員を殺すという意味では、もちろん東京空襲もそうだが)

その広島に原爆が落とされた昭和二十年八月六日に当時のカナダ首相のマッケンジー・キングは日記に
「原爆がヨーロッパの白人にではなく日本人に対して使われることになって
 よかった」
        ー渡辺昇一 『レトリックの時代』
と書いている。
きわめて正直な人と言わなければならない。
その背景となる思想は、F・ルーズベルトにさかのぼる。
「当時のアメリカでは「日本人は文明人のもつ羞恥心もない、異様な人種」というのが定
 説で、彼は、それをスミソニアン研究所にで調査させた。その結果、彼は
 『日本人は二千年遅れた野蛮人種』
 と結論する。
 原爆を落としたのも、『四つの島に閉じこめて滅ぼす』終戦処理の指針もそこから生ま
 れたと見るべきだろう」    
      ー高山正之 

日本に原爆を落としたトルーマンはこうの賜っている。
「神の御業、太陽の光を地上に再現した」

「アメリカはイスラム教国に攻め込んで、指導者達を皆殺しにし、国民を
 キリスト教に改宗させなくちゃ。
 だって、日本を爆撃して、原爆を落として殺したら日本人は羊のように
 従順になったわよ」
     ーアン・コールター (アメリカ最強のいや最凶と言われる超保守
                  女性コラムニスト)

「黒人は人間たりえない。
 なぜなら黄金よりもガラス玉を喜ぶから」
     ーモンテスキュー(法の精神)

「植民地の有色人種に必要なのは(独立ではなく)
 鞭だけだ」
     ーチャーチル (英植民地ビルマの独立を要請されて)

今日たまたま見た衛星放送の映画「タイタンを忘れない」はフットボールを通して、その黒人差別問題を語っている。
主人公のデイゼル・ワシントン(黒人)一家が引っ越してくると隣人が
「大家族だな、一人でも環境汚染なのに」
というシーンがあった。
それ以外にも、南北戦争時代かと思わせるシーンが次から次へ。

アメリカだけではもちろんない。
日本は第二次世界大戦で、イタリア、ドイツと一緒に戦い、そのため、これらの国とはお友達というような親和感を持っているが、とんでもない。
彼らの文化と血(民族)に対する誇りは、我々とは全く違う世界であり、イエローの日本など相手にしてないというのが現実である。
(イタリアはなんと、日本に巨額な戦争賠償請求をした。日本はなんとそれに応じた。イタリアは日本が負けたときはすでに連合国側だというのだ)。

悪魔が若い頃ショックを受けた本のことを書こう。
有名な「アーロン収容所」。会田雄次氏(1962年発行)の名書である。
彼が第二次世界大戦で捕虜になり、収容所に入れられた約二年間をまとめたものである。
その中で会田氏がイギリス女兵士の世話をするという項がある。

「イギリス人は大小の用便中でも私たちが掃除しに行っても平気であった。
 ・・・省略・・・
その日、私は部屋に入り掃除しようとしておどろいた。一人の女が全裸で立って髪をすいていたからである。ドアの音にうしろをふりむいたが、日本兵であることを知るとそのまま何事もなかったようにまた髪をくしけずり始めた。裸の女は髪をすき終わると下着をつけ、そのまま寝台に横になってタバコを吸い始めた」

簡単にいって、彼らから見れば日本人は犬か猫と同じレベル。
ワンちゃんの前で裸になっても恥ずかしいと感じる人間はいないはずだ。
いやはや・・・

タイガー・ウッズが証明するように優秀さと人種などは全く関係ない。
それが分かるためには、地球(特に白人圏)が一度、映画「猿の惑星」のように、人間が猿にでも支配されることである。そうでもなければこの考えは変わらないではなかろうか。

「戦争の圧力で、ついに原子爆弾をつくり、当時は正当と思われた理由から、
 日本の二つの都市に落とした。が、われわれは、ついには自分でびっくりし
 たと思う。
 このようなものについては、人は自分に相談しなくてはならない。というのは
 他に参考にするところがないからである。
 私は原子爆弾について知らず、もとよりその使用に関係がなかったが。私は
 恐れおののき、恥ずかしく思っている。
 私が知っているほとんどの人間は同じように感じている。声高く、荒々しくヒロ
 シマとナガサキを正当化する人がいるが、彼らこそ最も恥じなくてはならない」
   ージョン・スタインベック「アメリカとアメリカ人」
こういうまともな方もいらっしゃる。


私がリオンに留学した、1953年ころはフランスが仏印で戦争をしていた頃だから、東洋人と見ればベトナム人しか彼らの頭には考えられなかったのだろう。
下宿の近くにタバコ屋があった。
はじめてそこにたばこを買いにいった時、
「ベトナム人か、あんたは」
とその店の主人にたずねられ、
「いや、日本人」
と答えると、そのおやじは肩をすぼめて
「おれにとっては同じことだ」
といった。
私はムットとした。別に自分がベトナム人であろうが日本人であろうが、それはこのさいどうでもいいことであろうが、人がわざわざ日本人と名のったのに
「おれにとっては同じこと」というあいさつはない。
私は下宿先に戻ってからも面白くない。
そこで翌日、私はそのたばこ屋に出かけてたばこをかいながら
「あんたはドイツ人か?」
わざとそうたすねた。するとこのおやじはドイツ人嫌いらしく、
「おれはドイツ人じゃねえ、れっきとしたフランス人だ」
はきすてるようにいった。私は彼の顔をじっと見ながら、できるだけ、ゆっくり、できるだけ静かに、
「おれにとっては、同じこと」
そういって、スタコラ戻ってきたことがある。
   ー遠藤周作「ぐうたら社会学」

ワシントンの小学校で、女教師が歴史の授業をやっていた。
「我らに自由を。さもなくぱ死を−といったのは誰でしょう?」と生徒に質問した。
誰もわからない。そうしたら日本の商社マンの子がハイと立って、
「一七七四年、パトリック・ヘンリーがいいました」。
先生が、「よくできましたね」といったら、教室の後から声がして
「ジャップなんかやっつけろ!」
「誰ですかそんなこといった人は?」と女教師が怒ったら、その声が
「ハリー・トルーマン 1945年」  
     −開高 健「水の上を歩く?」

「白人の政治家が、こう選挙民にスピーチした−
 『諸君、私は人種差別と黒人が嫌いだ』」
     −開高 健「水の上を歩く?」    


「アメリカには今でも、僕がプレーできないゴルフ場が存在する」
     ータイガー・ウッズ


□参考まで、
白人(Causasian)の定義(Encyclopedia)。
The Caucasoid, found in Europe, N Africa, and the Middle East to N India, is characterized as pale reddish white to olive brown in skin color, of medium to tall stature, with a long or broad head form. The hair is light blond to dark brown in color, of a fine texture, and straight or wavy. The color of the eyes is light blue to dark brown and the nose bridge is usually high.。

アメリカでのサイトなどでメンバー登録をする際には、下記の中から自分の人種を選ばねばならない。
 Caucasian, Asian, African, East Indian, Latino, Middle Eastern, Native American, Paciffic islander, Other






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