◇ふるさとは遠きにありて思うもの
   近くばよって目にも見よ 

筒井康隆氏の作である。
意味不明だが、なぜか妙に滅茶苦茶面白い。
氏は天才である。

元々は、ご存じのように室生犀星の詩である。
 
 ふるさとは遠きにありて思ふもの
 そして悲しくうたふもの
 よしや
 うらぶれて異土の乞食となるとても
 帰るところにあるまじや
 ひとり都のゆふぐれに
 ふるさとおもひ涙ぐむ
 そのこころもて
 遠きみやこにかへらばや
 遠きみやこにかへらばや
   [小景異情] 

筒井康隆氏はマスコミの「差別用語禁止」に反対して、長期間断筆宣言をしていた。

ということで、これから先は例によって強引な展開になる。差別用語についてである。

・盲目 >目の不自由な人
・チンバ>足の悪い人
・ジャップ>日本人
・インディアン > ネイティブアメリカン
・ちゃんころ >中国人
 チンク (米国人の中国人に対する蔑称)
・ジプシー >ロマ(民族)
・エキスモー >イヌイット
・アイヌ >アイヌ民族
・ピグミー族 >ピグミー民族
・原住民 >現地人
・アパッチ族 >アパッチ系
・裏日本 >日本海側

エツ!というような、数々の放送用禁止用語、差別用語とされていることばである。
(勿論、実際には大変な数があるのだが)

「ジプシー・ローズ・リー」という、超有名なストリッパーがいた(ミュージカル「ジプシー」のモデル。そして映画にもなった。ナタリー・ウッドがジプシーローズ役)が、それが「ロマ・ローズ・リー」じゃ、なんかおもしろくない。
そして、「ジプシー」は駄目で、「ジプシー音楽」と呼んでもよい、とされているのがよく分からない。
一方では、「アイヌ人(元々、人間という意味)」もだめで、「アイヌ犬」もだめ。というのもよくわからない。

「ジャップ」と呼ばれていい気持ちになる人はいない。が、そう呼ばれなくたって、相手の差別の気持ちが変わる訳ではない。
ま〜、差別用語は止めようなどというのは、「そうした方がいいね」というレベルの話なのである。
ある意味では世界的傾向であるとはいうものの、過去、発表されたもの、例えば「ちびくろさんぼ」(手塚治虫作)の出版を止めさせるなどは明らかにやりすぎである。

戦後、日本人が占領軍に対し(小さい声で)「ヤンキーゴーホーム!」とやっていた。
あるいは、沖縄でアメリカ軍ともめごとがあるとやるようだが、「ヤンキー」とは「米国北部諸州の人」を指す言葉のようだから「ジャップ」ほどのインパクトはない。
大体、アメリカには「Yannkiee Doodle」という歌、映画まであるのだから。

(最近の日本競馬には、ヤンキーゴーホームという競馬馬がいる。結構強いらしいが、意味不明)

とにかく、考えれば考えるほど筒井康隆氏の苦労がしのばれる、というものである。
 (やっと、話がもどった・・・)






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