◇クジラにかまうな、死ぬものなら死なせろ 

ジャック・マイヨール氏(フランスの潜水家)イタリア国営RAIテレビが23日伝えたところによると、地中海のイタリア領エルバ島カローネの自宅で自殺して見つかった。74歳。
上海のフランス租界生まれ。幼いころ佐賀県唐津の海岸に泳ぎに来ていた。1976年に地中海での素潜りで水深百メートルを超える潜水に成功。マイヨール氏をモデルに海の男が潜水記録に挑戦する映画「グレート・ブルー」が大ヒットし、一躍有名になった。隣人がマイヨール氏が首をつって死んでいるのを発見した。自殺したのは22日とみられるが、原因は不明。70年に伊豆半島沖で76メートルの素潜りに成功したほか、96年にも来日、ヨットで日本一周の航海を行った。(ローマ共同)    
                 [毎日新聞] ( 2001-12-24 )

記事のなかで「グレート・ブルー」と紹介されている映画は英語題名で原題は「グラン・ブルー」(フランス映画)。リック・ベッソン監督の大傑作で音楽もすごい(エリック・セラ)が、この映画はマイヨール氏の自伝が基になったとのこと。
この映画のラストシーンは主人公がイルカと共に海に消えていくというものだが、これは主人公の自殺を表現したものとずっと思っていたので、このニュースを聞いたときはそのシーンが頭に浮かびショックであった。

以前、唐津沖にクジラが迷い込んで大騒ぎになったおり、インチキ自然保護団体などが「救出」のためにクジラを追いかけ回すのを見て「クジラにかまうな、死ぬものなら死なせろ」と怒ったという。(唐津洋々閣 大河内はるみ女将) 
彼から見たら、日本の「タマちゃん」騒動など、まさにお笑いものであろう。

遺書が残されており、それには遺体を火葬にし、遺灰はモンテクリスト島の周囲に散布してほしいと書かれていたという。
自殺の原因は、「人生の挑戦という目標が消失した」とのことだが、老人性鬱病であったという説もある。

日本とも関係が深く、禅にも通じており、自ら「海の哲学者」と称していた彼が自殺とは・・・
 
Le president de la Republique Jacques Chirac a rendu hommage a son ''talent exceptionnel'': il ''restera pour la generation Grand Bleu comme le symbole d'une quete d'absolu, d'equilibre, d'eternite'' (シラク大統領のコメント:ジャックマイヨールは、グランブルーのシンボル的存在であり、偉大な才能は永遠に記憶されます)







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