◇ 誰でも鏡の中に自分の最も好きな人を見る

作者不明。

鏡は魔法である。
そうでなければ女性があんなに鏡を見られるはずがない。
日夜、そして最近では電車の内でまでも。
現代の浮世絵師、山藤章二氏も「この世で女性ほど自分の顔を知らない人種はいない」と書いている。(あんなにたくさん見ているのに・・・)

グリム童話「白雪姫」では、白雪姫の継母が魔法の鏡に「鏡よ鏡、世界中で一番美しいのだ〜れ?」と聞くと、鏡は「あんたじゃない」と答える。
普通の鏡ならば、即「あなたが一番綺麗です」と答えてくれる。
普通の鏡こそ「魔法の鏡」なのだ。
そしてややこしいが、童話に出てくる「魔法の鏡」は本当の自分の顔がうつる、決してウソをつかない「本当の鏡」である。その証拠に毎日自信をもって鏡を見ている女性が、VTRに録画された自分の顔がディスプレー上に再生されると、急に恥ずかしがって飛び上がるはずだ。本当に不思議である。しつこいが、鏡は魔法である。

「真実を追求した」継母は熱く焼かれた鉄の靴を履かされ、「倒れて死ぬまで踊り続けなければなりませんでした」というのがグリム童話のエンディング。
ヒドイ話である。

「鏡は自惚れの醸造器であるごとく、同時に自慢の消毒器である」
    ー夏目漱石 「吾輩は猫である」

「鏡があなたのゆがんだ顔を映しても,鏡をののしってはならない]
          ーロシアの諺

「馬鹿を見たくないというなら,まずは自分の鏡をこわす必要がある」
          ー ラブレー

『神父様,私は一日に何回も鏡を見て,その度に自分を美しいと思 うの
 です...』
『わが子よ,心配せずにつづけなさい.それは罪ではない. 単なる
 誤りだ』」
          ーフランスのジョーク





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