悪魔のダーウィン賞
■ フードファイト 

テレビで人気の大食い番組をまねして早食い競争をした中学生が死亡した。

新聞によると、この少年(愛知県尾西市の私立第一中学の3年男子生徒(14))はことしの1月、クラスの仲間と給食の早食い競争をおこない、パンとサラダを牛乳で一気に飲み込もうとしてノドに詰まらせた。呼吸困難で意識を失い病院に運ばれたが意識不明のまま3ヶ月後の今月24日に死亡。全国の小中学校でムチャな早食い、大食いがブームになっているとのこと。
こんなことを流行らせたTVも馬鹿だが、まねして死ぬのはもっと馬鹿。
動物がものを食べるのは生きるためであって、死ぬためではない。動物の中で人間だけが食べ過ぎや、喉にものを詰まらせて死ぬことができる。
それを実証したこの少年は世界最年少のダーウィン賞候補者であろう。

TVの大食い大会は実にくだらない。
大食いがどうして偉いのか、悪魔には理解できない。
人間が(普通)必要以上に食べ過ぎないのは、次のようなメカニズムが存在するからである。
人間が食物を食べると胃から腸に入り、栄養を吸収すると同時に血糖値が上昇していく。脳の視床下部にある満腹中枢が働いて、「もうやめろ」という信号を発して食べ過ぎを防ぐ仕組みになっている。
従って、通常以上に食べる人(食べられる人)はその信号がうまく出ないのか、その信号をうまくキャッチできないのであって(あるいはその両方)、これすなわち異常なのである。
そんな異常な連中を集めて、大食いさせてそれをTVで放映する日本のメディアはダーウィン賞以下である。

この死亡のニュースが流れて、兵庫県明石市の商店街連合会が市民イベントで計画していた、名物の明石たこ焼きを15分間にどれだけ食べられるかを競う大会を中止すると発表した。

アタリマエ。


(2002.5.1)


                      
     


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