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■ タマちゃん症候群 | ||
イギリス映画の「ブラス」は炭坑労働者が組織するブラスバンド団を描いた映画である。 世界大会のイギリス代表を選ぶ大会で優勝したこの団の代表は 「イルカが死んだとか、鯨を救えというとかいうことでメディアは大騒ぎする。けれどもイギリスでは何十万人の炭鉱労働者が廃坑により職を失っている。この現実にもっと眼を向けて欲しい」 と演説した。 タマちゃんのことが新聞に載るたびに、この映画のせりふが頭に戻ってくる。 タマちゃんのマスメディアにおけるバカ騒ぎにはほとほと呆れて、このページに載せようと思ったのだが先輩がいた。全くそのとおりなのでそのまま載せる。 (引用の引用なので重松氏には無断転載) 根深い「タマちゃん」病 〜〜 (重松清) 多摩川と鶴見川に出没していたアゴヒゲアザラシ−いわゆる「タマちゃん」の騒動は、ほんとうに醜悪だった。くだんのアザラシが本来の棲息地域ではない場所に迷い込んでしまったのは明らかなのに、なぜそれが「私たちにつかの間の癒やしを与えてくれた」ということになったのだろう。 保護するか放っておくかの議論はともかく、「タマちゃん」は迷子なのである。ここにいるべきではない動物なのである。それを見せ物にして、感動だの癒やしだのともっともらしい口実をくっつける報道の語り口は、迷子になって泣いている子どもを取り囲んで「かわいい泣き顔!」と喜ぶのと変わらない。あげくの果ては、9月に入って姿を消した「タマちゃん」に「また戻ってきて元気な姿を見せてほしいものです」・・・いくらなんでも自己中心すぎないか? 「タマちゃん」は、我々を楽しませるために生きているわけではない。たとえば、パラリンピックが健常者を感動させるために開かれるわけではないのと同様に、である。 こうなれば、いっそ「タマちゃん」が多摩川に居座って、「カムバック・サーモン」で戻ってきたサケを食べてしまえばいいのに。そのときにも、「タマちゃん」はアイドルでいられるか?いや、その前に・・・ニシキヘビの「ニョロちゃん」が東京に姿を現した際には、どうぞ愛してやってください。えこひいき、なしだぜ。 こんな話もある ある時・・・ カナダのモントリオール市の職員がストライキを行いそれが一ヶ月以上続いた。 そのさなか、市の水族館で飼われていた五頭のイルカのうち、二頭が死んでしまっ た。 イルカたちはここへ来た幼い頃から芸をしこまれ、そのご褒美として餌をもらっ ていた。 ところが四人いたトレーナーが一人も来ないため、芸をしない。 アルバイトが餌を与えていたが、芸をして食べる習慣がついているイルカたちは、 ただ投げられる餌には見向きもしない。この二頭は三十八日間絶食していた。 ー上原淳一郎 読むクスリpart5 人間とは本当に勝手なモンである。 以前、唐津沖にクジラが迷い込んで大騒ぎになったおり、インチキ自然保護団体などが「救出」のためにクジラを追いかけ回すのを見て「クジラにかまうな、死ぬものなら死なせろ」と怒った。 ー>悪魔のことわざダーウィン賞「クジラにかまうな、死ぬものなら死なせろ」 を参照のこと (2002.10.6) ![]() ![]() ![]() [カウンター] |