悪魔のダーウィン賞
■ ノーベル賞と島津製作所

サラリーマン田中耕一さんノーベル賞! 

スウェーデンの王立科学アカデミーは9日、02年のノーベル化学賞を島津製作所の研究者、田中耕一氏(43)ら3人に授与すると発表した。知らせを会議中に聞いた田中氏は「寝耳に水。信じられない」と驚いた。田中氏はタンパク質の構造を分析する手法を開発し、新薬の開発やがんの早期診断に道を開いた。前日、小柴昌俊東大名誉教授(76)に物理学賞が決定しており、日本人のダブル受賞と、企業研究者の受賞は初。年収約800万円のサラリーマンの快挙だった。
          ーwww.nikkansports.com 2002.10.9

田中氏はさわやかな人柄が素晴らしい。
研究一筋。管理職とか出世とかには全くこだわらない本当の研究者のようだ。
恥ずかしいのは島津製作所(社長 矢嶋英敏氏)である。
ノーベル賞受賞に報いるため、一千万円の功労金を支払うとか、役員待遇にするとか田中ノーベル賞研究所を設立するとかで大騒ぎである。
田中氏の功績は、今まで島津製作所ではほとんど認められていなかった。
特許で受け取ったのは1万円だけというのは別としても、会社として製品化に積極的でなかったため、ドイツに遅れをとり特許を持ちながらなんとシェアは世界で第三位(15%)である。
国際世界特許を取っていなかったというのだから話にならない。

もっとも国際特許を取らなかったので、ドイツの研究者が質量分析装置を改良しこの装置が世に出た訳だから、結果論でいうとそれによりノーベル賞が取れたという変な話になる。

過去にも、ノーベル賞受賞の功績により文化勲章をもらったりすることがあった。
日本の「画家」、「音楽家」、「映画監督」などが海外で認められと日本での評価が急に上がるのと同様の現象ではなはだ不快である。
話が逆なのである。

この会社はノーベル賞受賞を会社のネームバリューが上がった功績位にしか考えていないのでは。
(あるいは、製品の売れ行きが上がるという期待。確かに株は上がったが)

同社は今までほとんど見向きもしなかった彼の開発した製品を急遽ホームページで大々的に取り上げている。
(セコイ!)

当時の上司で元取締役の喜利元貞さん(67)は「もし『実績が上がりそうもない』と研究をやめさせたら、ノーベル賞はなかった。成果を急がない社風も彼に幸いした」と振り返る。

こういう人を恥知らずというのです。
田中氏に対し散々な査定をして、自分は偉くなり、「田中」の名前などノーベル賞受賞まで忘れていたはずである。


(2002.10.17)


                      

     


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